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歯科に関するミニ知識 NO-6 NO-5 NO-4 NO-3 NO-2 NO-1
医療に関するミニ知識
全身の病気とお口の中の病気の深いかかわり




歯周病の大きな要因はストレスだった

私たちのからだの働きは、自律神経系がコントロールしています。自律神経系は、ご存じのように交感神経と副交感神経のふたつで成り立っています。

運動するときは、交感神経が優位に働いて、心臓の働きが高まり、呼扱が速くなって、消化機能の働きが抑えられます。

一方、食事をするときや休息をしているときは、副交感神経の働きが優位になり、心臓の働きや呼吸をおだやかにします。消化機能も活発に働き、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動もさかんになります。

じつはこの交感神経と副交感神経の働きと連動して、白血球の作用も変化します。

白血球は顆粒球とリンパ球に大別できますが、新潟大学の安保徹(あぽとおる)教授によれば、交感神経がからだを支配しているときは顆粒球が活性化し、逆に、副交感神経が支配しているときはリンパ球が活性化するそうです。

顆粒球とリンパ球が、交感神経・副交感神経とこのような関係で連動していることは、からだにとって生きていくのに都合のいい反応ですが、その反応がいきすぎると、今度は具合の悪い症状が現われます。

正常な人の場合、白血球に含まれる顆粒球とリンパ球の割合は、それぞれ60%、35%となっています。しかし、交感神経が緊張状態になると、顆粒球が70%、リンパ球が25%になります。

このときからだにどんな症状が現われるかというと、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯周病、不眠などがおこるということです。

一方、副交感神経が優位な状態ですと、顆粒球は45%、リンパ球は50%となり、鼻水がでる、からだがかゆい、じんましんがでる、元気がでない、アレルギー疾患になるなどの症状がでるということです。

私たちがストレスを感じている状態とは、交感神経が優位の状態をいいます。ストレスが過度になると、交感神経系も過度に緊張しています。安保教授によれば、その状態が多くの病気をつくりだしているといいます。

ストレスがもたらす代表的な不調症状は、さきほどもお話ししたように、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯周病、不眠などです。

普段私たちが、ストレスがたまったなと感じているとき、からだに感じる不調症状そのものといえるでしょう。

安保教授の研究成果に従って、私なりの考えを述べてきましたが、教授の研究をもっと知りたい方は『医療が病をつくる−免疫からの警鐘』(岩波書店)をご覧ください。

では、このストレスと歯のかかわりを見ていくと、まずは、いちばんわかりやすいのが歯ぎしりです。歯ぎしりがおこる原因のほとんどはストレス性によるものです。

寝ている間に、歯ぎしりや食いしぼりをすることによってストレスを発散させていると考えられています。

そのほかには、癖、かみ合わせの異常や合わない詰めものなどが考えられますが、これはきわめて少数です。

歯ぎしりのパターンは、カチカチ鳴らす、食いしばる、すり合わせるーだいたいこの三つに分けられます。

すり合わせ型は、むし歯治療の詰めものが合わずにおきることが多く、食いしばり型はストレスや内向的な性格が原因でおこります。カチカチ型はどちらで理由にも当てはまると分析されています。

参考書籍:「歯と口の悩みを解決する本」
著者(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)l

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歯周病とは

歯周病(ししゅうびょう)とは、歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨より構成される歯周組織に発生する疾患の総称である。

歯周疾患(ししゅうしっかん)、ペリオ (perio) ともいい、ペリオは治療のことを指すこともある。

ただし、歯髄疾患に起因する根尖性歯周炎、口内炎などの粘膜疾患、歯周組織に波及する悪性腫瘍は含まない。

歯垢(プラーク)を主要な原因とする炎症疾患が多いが、単に歯垢のみでなく、多くの複合的要因によって発生する。

また、歯垢が一切関係ない(非プラーク性)歯周疾患も多数存在する。さらに、原因因子には個人差があり、歯周病の罹りやすさや進行度合いは人によって違う。

歯周病のうち、歯肉に限局した炎症が起こる病気を歯肉炎(しにくえん)、他の歯周組織にまで炎症が起こっている物を歯周炎(ししゅうえん)といい、これらが二大疾患となっている。

歯肉炎で最も多いのはプラーク性歯肉炎(単純性歯肉炎)であり、歯周炎のうちで最も多いのは慢性歯周炎(成人性歯周炎)であるため、歯肉炎、歯周炎といった場合、それぞれ、プラーク性歯肉炎、慢性歯周炎を指すのが一般的である。

歯科疾患実態調査によると、日本においては歯周疾患の目安となる歯周ポケットが4mm以上存在している割合が、50代の人で約半数に達しており、また、高齢者の歯周疾患患者が増加していることが示されている。

ただし、前回までと比較して調査方法の厳密化がなされていることから、単純比較は出来ないのではないかとされている。

また、8020運動の推進などにより、残存歯数が増加していることも歯周疾患の増加に関わっていると考えられている。

歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス・ワールド・レコーズに載っているほどである。

ウィキペディア
http://www.dentalpark.net/etc_new_hana.html

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鬼の歯と替われ

日本では、赤ちゃんが生まれると、100日目あるいは110日目に、一生食べるものに不自由しないようにという願いをこめ、赤ちゃんに初めてごはんを食べさせる真似をする風習があります。

これをお食い初めといいます。この時期は、ちょうど離乳期にも当たり、そのとき、地方によっては、しっかりと丈夫な歯が育ち、硬いものも食べられるようにと、小石を飾ったりします。

赤ちゃんは生まれたとき、すでにすべての乳歯が歯ぐきの中で完成していますが、お食い初めをするころには、まだ歯はまったく生えていません。

生後六ヵ月ごろになって、やっと最初の乳歯が生え始め、三歳になるころにすべての乳歯が生えそろいます。

しかし、あと三ヵ月ほどで生えてくるはずの歯が丈夫であるようにと祈るこの儀式には、健康のためにはしっかりと食べること、そのためには、丈夫な歯が大切だということを、昔の人もきちんと肝に銘じていたことがうかがえます。

そして、六ヵ月がたつと最初にでてくるのは、ふつうは前歯です。歯ぐきからポチ。と白いものが見えると、周りの大人たちは大騒ぎです。

やがて、約十六ヵ月で上下の第一乳臼歯が生えそろいます。しかし、生えそろった乳歯も、やがては永久歯と入れ替わるために抜けるときがやってきます。

その抜けた歯を、今までお世話になった感謝の気持ちをこめ、またしっかりした永久歯が生えてくることを願って、下の歯のときは屋根の上に、上の歯のときは縁の下に向かって投げる風習もあります。

そのとき、大きな声で「鬼の歯と替われ」「鬼の歯より先に生えろ」「雀の歯と替われI「雀の歯と生えくらべ」「の歯と生えくらべ」などといった言葉をおまじない代わりに唱えます。

今は団地やマンションなどに住んでいる方が多く、簡単に屋根の上になど投げることができませんし、単なる迷信だといってしまえばそれまでですが、歯に対する感謝の思いはぜひ大事にしていきたいものです。

ちなみに、アメリカやヨーロッパなどでは、抜けた乳歯を枕の下に置いて眠ると、妖精やネズミがお金やプレゼントと換えていってくれる、といった言い伝えがあるそうです。

乳歯が抜けると、いよいよこれから一生つきあうことになる大人の歯(永久歯)が生えてきます。

永久歯は、五歳過ぎから六歳までの間に下あごの前歯、続いて上下の奥歯(第一大臼歯)、小学校の二〜三年生で上の前歯、小学校の高学年を通じて小臼歯、小学校を卒業するころまでには、いちばん奥の臼歯が生え、しっかりとかみ合わせることができるようになります。

第二大臼歯が生え始めるころは、男女とも大人のからだへと成長する第一歩の時期に当たり、女子の場合、初潮とほぼ一致します。

歯もきちんとからだの成長に合わせて生えてくるのです。

参考:歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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歯ぎしりの原因は?

子供の歯ぎしりは、加齢変化というより、むしろ歯の成長過程に起こるかみ合わせのアンバランスが原因といえます。

歯の生える成長期に多く見られ、かみ合わせるときに不都合な部分を、睡眠中に無意識のうちにすりへらして、都合のよいかみ合わせにするためと思われます。

次々と新しい歯の生えてくる成長期の歯ぎしりは、さほど気にしなくてもいいと思います。特に乳児期の歯ぎしりは、顎を鍛えて、正常な位置への誘導とつながり、成長とともに治まることが多いようです。

大人の歯ぎしりは、かみ合わせやストレスとも関係があると言われていますが、まだ原因ははっきりしません。ものをかむとき、歯は垂直に動いているわけではありません。

牛が草を食べている姿を想像してください。斜め下から円を描くような舌顎の動きが思い浮かぶでしょう。人間も同じような動きで食事をしています。

歯はものをかむのに都合がよいように、尖った部分とくぼんだ部分があって、まずとがったところ同士があたって滑るような感じで、くぼみに移動していきます。

その滑りを阻害するような部分があれば、「もっと気持ちよく食事をしたい」という無意識の欲望が眠っている間に現れて、“滑りを阻害している部分をすりへらそう”とするのが歯ぎしりです。

上の歯と下の歯のかみ合わせによって生じる摩耗面のことを「ファセット」と呼びます。歯ぎしりによってできたファセットを見つけだし、これを削ることで治まることもあります。

歯ぎしりには3つのタイプが!

1.グラインディング 歯をすり合わせるギシギシ型

2.クレンチング 食いしばるガチガチ型

3.タッピング カチカチ鳴らすカチカチ型

歯ぎしりで悩む人の歯を診ると、ファセットと呼ばれる摩耗部分を見つけることができます。このファセットを削る、あるいは軽く研磨することにより、症状は緩和します。

状況の変化を観察しながら、少しずつ削るのがコツです。あまり過度な削合は、ほかの部分に新たな火種をつくりますし、顎関節症と呼ばれる困難な病気になるおそれもあります。

今は、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースの様なものを装着して、症状を緩和する方法もあります。

参照:大阪市北区の江上歯科
http://egami.ne.jp/

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幼児の歯みがきのポイント

両親が毎日二〜四回、正確に歯みがきをすることが、お子さんの歯みがきを習慣づけるための早道です。

しかし、歯みがき剤を使うと口の中が泡だらけになってしまい、小さなお子さんはいやがります。

それに、実際にみがけているかどうかもわからなくなりますので、歯みがき剤は使わず、歯ブラシには水だけをつけてみがくようにしてください。

まず最初にお断りしておきますが、最初から素直に歯をみがかせる子どもはいません。たいていが、いやがって暴れます。

お子さんが暴れる場合、両親は次のようにしてください。
1)太ももの間に子どもの頭をはさみます。

2)歯ブラシは小さめのものを選んでください。犬きい歯ブラシでは奥歯などがみがけません。
歯ブラシの植毛部分が長さ11・5〜14・5mm、幅5・5〜7mm、毛先の長さ5・5〜6・5mm程度のものを選ぶようにしてください。電動歯ブラシは毛先の当て方の強さがわかりません。歯ぐきを傷つけても気がつかないことがありますので、お子さんには使わないでください。

3)前歯をみがくとき、親指や人差し指で歯ぐきの小帯(しょうたい)(唇と歯ぐきをつなぐスジ)を押さえます。
それから、指にそって歯ブラシを動かすとうまくみがくことができます。強い力はいりません。
細かく歯ブラシを横に動かし、歯ブラシの毛先で軽くみがくのがコツです。二本ずつみがくようにしましょう。

4)上の前歯の裏側は歯ブラシを立ててかきだすようにみがきます。下の前歯の表側、裏側も同様にみがきます。

5)奥歯は口を大きくあかないとみがくのがむずかしいところです。口の中を傷つける恐れがありますので、決して無理はしないように注意しましよう。
奥歯の溝はゴシゴシみがいてもかまいません。

小学校の一年生前後になると上手に歯をみがいているように見えますが、実際はむし歯になりにくいところしかみがけていません。まだまだ、お母さんの仕上げみがきが必要です。

また、小学校へあがると、仕上げみがきをやめてしまうことが多いようですが、このころは乳歯が永久歯へと生え替わる犬切な時期です。

そのため、いつもどこかの乳歯がグラグラしていたり、永久歯が生え始めたりなどして、歯並びがでこぼこしています。

その結果、どうしても口の中が不潔になりやすい状態になっています。そのうえ、生えたての永久歯はむし歯になりやすい傾向があります。

つまり、この時期は今まで以上にお母さんの仕上げみがきが必要な時期なのです。

歯科医の立場からいえば、八〜九歳ころまでは、一日二回は仕上げみがきを、できれば寝る前にしてあげたいものです。

そして、もう一度念を押しておきますが、仕上げみがきをしてあげるときには歯みがき剤は使わず、歯ブラシに水だけをつけてみがくようにしてくだい。

参考:歯と口の悩みを解決する本
著 坂本歯科医院 坂本貴史

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心筋梗塞、狭心症、糖尿病、早産など、全身に関係している歯周病

歯周病は口の中だけの病気と考えるのは間違いです。歯は単なる食べるための道具ではありません。このことをもう一度確認してください。

たかが歯、されど歯なのです。毎日なにげなく会ていた友達と離れ離れになったとき、そのときになって、初めてその人の大切さがわかる---、歯と私たちはそんな関係かもしれません。

歯周病の症状が中期まで進行し、歯がぐらぐらしてくる状態になると、歯周ポケットからは、細菌や膿が絶えずでています。

ものを食べたとき、これらが唾液と一緒になって体内に入り込み、血液の流れに合流し、心臓や肺、子宮などの臓器に到着し、そして、悪影響を及ぼします。

今までの研究ではがんとの関連は指摘されていませんが、日本人の死亡原因のトップスリーのうち、一位のがんを除いて、二位の心疾患、三位の脳血管疾患のいずれにも、歯固病が関連しているという研究報告があります。

話が少しむずかしくなりますが、大事なことなので具体的に見ていきましょう。

●細菌性心内膜炎(さいきんせいしんないまくえん)

心臓に血液を送る働きに欠陥がある人の弁膜や、人口弁、心内膜に炎症をおこします。

症状が進むと、弁膜がこわれたり、敗血症をおこしたりして、心臓のポンプが働かなくなってしまいます。この病気がおこる原因のひとつとして、かなり前から、歯周病菌との関連が指摘されています。

●冠動脈疾患

歯周病菌が血液の中を通って心臓に到達し、コレステロールがたまりやすくなるような状態をつくりだして血管をもろくします。

アメリカ・ノースカロライナ大学のベック教授の調査によれば、歯周病のある人はない人にくらべて、20〜180%の割合で、冠動脈疾患(動脈硬化)を発症するリスクが高くなるという報告があります。

東京医科歯科大学・微生物教室の奥田克爾教授の研究でも、動脈硬化をおこした部分から歯固菌が検出されています。

同大学の調査によると、動脈硬化症、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの血管系疾患の発症率は歯周病がない人にくらべ、歯周病の人は一・五倍。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患では二・ハ倍、心臓発作も二・八倍と危険性が高くなっているという報告もあります。

●糖尿病

これも、東京医科歯科大学歯周病科の研究によるものです。糖尿病になっている人の場合、そうでない人にくらべ、二・三倍の割合で歯周病になりやすいという報告があります。

アメリカのケースでは、歯周病の治療を受けた人の九人に七人が、糖尿病の治療のために使っているインシュリンの必要量が少なくなったなどの報告もあります。

つまり歯周病を治療したら血糖値が下がったのです。歯周病が糖尿病の原因のひとつになっているのか、糖尿病が歯周病の原因のひとつになっているのかまだわかってはいませんが、相互の関係にあるのは確かなようです。

●低体重児出産(早産)

私たちのからだを守るための免疫反応が、かえって私たちを傷つけてしまう例です。歯周病菌をやっつけるために白血球から分泌されたサイトカインという物質が、胎盤を通過して胎児の成長に影響を与えたり、子宮筋を収縮させて早産を引きおこすと考えられています。

●肺炎

食べものは食道に、空気は気道に入っていくようになっているのが私たちのからだですが、その力が衰えると、唾液を誤って気管に入れてしまうことがあります。

歯周病菌を飲み込んでしまうと、抵抗力の落ちた高齢の方などの場合、肺の中でその歯周病菌が増殖して肺炎をおこします。これは、高齢の方のほか、脳血管障害、手術後の人などにみられる症状です。

これ以外に、歯周病菌の影響でおこる病気としては、胃潰瘍、胃炎、骨粗しょう症などがあげられています。

歯と口の悩みを解決する本
著書:坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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ドライマウスはむし歯や歯周病になりやすい

その1

口が渇く病気−−ドライマウスが、若い人から高齢の方まで広い年齢層に広がっています。少し口が渇く程度から、渇きすぎて話ができない、味がわからない、舌がひび割れてしまったなど、非常に多くの症状があります。

ドライマウスで悩んでいる方は推定で約八百万人といわれていますが、圧倒的に女性に多く、四十〜六十歳代が中心です。

原因はいろいろあります。大きく分けて次のように考えられています。

●シェーグレン症候群(自己免疫疾患)によるもの ●唾液腺の疾患によるもの ●糖尿病、賢疾患などの全身性疾患によるもの ●薬剤の副作用 ●加齢 ●ストレス ●口呼吸や喫煙、過度のアルコール摂取など ●薬剤の副作用 ●その他の要因

シェーグレン症候群とは、唾液腺、涙腺などの外分泌腺に関係する自己免疫疾患で、口の渇きや目の乾きが特徴です。

ドライマウスの原因のかなりの割合をシェーグレン症候群が占めていて、全体の約30%がこの病患に由来している といわれています。

ドライマウスの治療は、原因ごとに対処します。歯科医は、問診や口腔内診査などの検査を行い、適切な処置をほどこします。

しかし、薬剤による副作用が原因と診断した場合、その薬剤の使用を中止できればよいのですが、それによってリスクが生じることがあります。

薬剤の変更、減量、中止に関しては、かならず、疾患の主治医の先生と相談のうえで行い、口腔の乾燥症状のケアや、乾燥にともなう口のトラブルなどの治療を行います。

その2

ドライマウスによって口の中には次のような症状がおこりやすくなります。

●入れ歯がすれて傷ができやすい。●口内炎ができやすい。●歯周病がなかなかよくならない。●パンなど乾燥した食べものをなかなか飲み込めない。●歯に着色物がくっつきやすい。

介護を必要とする高齢の方の場合などは、ドライマウスが原因で、上あごや舌の裏側に食べかすや痰などの分泌物がこびりついたままになっていたり、歯と歯の間や歯と頬の間にも食べかすがたまったままになっていることが多いので注意が必要です。

また、口の中が乾くことによって唾液の働きが低下し、むし歯、歯周病、口臭、カンジダ症などのトラブルが発生しやすくなりますので、そのケアも必要に応じて行わなければなりません。

ドライマウスの方が、まず日常生活で気をつけなければならないことは、口に刺激を与えないようにすることです。アルコールや香辛料などの刺激物を飲んだり食べたりすると、目の中の乾燥をさらに進行させてしまうからです。

ビスケットやクラッカー、おせんべいなどの乾いた食品は、とくに食べにくくなります。なるべくなら、そうした食品は避けたほうがいいのですが、どうしてもという場合には、十分に水分を摂りながら食べることです。

ただし、食べた後に乾燥がより強く感じられる場合は、症状が治まるまで食べるのをやめてください。ビスケットのようなものなら、ミルクティーに浸して食べる、パンならフレンチトーストにするなどして、工夫を加えて食べるといいでしょう。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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出っ歯、顎関節症、口臭などの悩みで引きこもりに・・・

歯と口の悩みのなかで、最も重要なのはむし歯と歯周病です。しかし、最近は、そう言いきってしまうのがためらわれるほど、口と歯の悩みと精神的な悩みを同時に抱える方がたくさんいらっしやいます。

精神的な悩みが影響して歯が悪くなったのか、歯が悪いのが原因で精神的な不安に悩まされるようになったのか、どちらにせよ、そのつらさは本人にしかわかりません。

だいの大人が歯科医院の前を行ったり来たり、自分でも、医院の扉を押せばいいとわかっていても、不安で不安でそれができないのです。

そんな悩みをもつ方からメールをいただくことがありますが、私はそういうとき、病状のことをあれこれ聞くことは後回しにして、「海を見にいらっしやいませんか?」と返事をだします。

幸い、私の病院のすぐ近くには湘南の海が広がっています。

はるか昔は石原裕次郎さん、最近は桑田桂祐さんの大活躍で湘南の海の人気度が全国的にアップしていますので、「海を見にいらっしやいませんか。そんな気分で気軽においでください」というと、ほっとされるようです。

おそらくメールをよこされる方の心のなかには、小さいころ、歯医者に行って痛い思いをしたとか、長い間治療に通ってもなかなか冶らなかったとか、先生と気が合わなくていやな思いをしたとか、さまざまな悩みがあると思います。

いただくメールの一通一通に、そうした悩みがにじみでています。メールを送ってくださった方のご迷惑にならないように、何通かの内容をかいつまんでご紹介しましょう。

その1 二十九歳の母親です。出産後、詰めものが取れてしまい、歯医者に行ったところ、詰めものの下でむし歯が進行していると言われました。

それ以来、精神的に不安定になってしまい、三度の食事の後はもちろん、料理の味見をした後でも歯をみがかずにいられなくなり、ときには、歯が汚れるから食事をしたくないとさえ思うようになってしまいました。

その2 最近、あごが左に曲がってきたんです。気になって調べてみたら顎関節症っぽいんです。こういうときは何科に行ったらいいんですか?

その3 五年くらい前から口を開くとき、音がするようになりました。最近は口が2cmくらいしか開かなくなり、鼻炎もひどくなりました。

頭痛に加え、背中の痛みもひどく、その症状が現れるのはぽぼ左側に限られています。

その4 四十歳のころから歯周病がひどくなり、四十六歳のころにはまともな歯は下側二本だけになりました。

現在はまだ五十歳です。残った二本がいつ抜けてもおかしくない状態ですが、歯科医院に行くのが恥ずかしくどうしたものかと悩んでいます。

その5 歯医者に行こうと思うのですが、やっぱり怖い。むし歯は歯医者に行かなきや治らないですよね。

そのむし歯なのですが、半分ない状態だとやはり抜歯でしょうか。最近気になるのが歯ぎしりです。歯ぎしりはほうっておかないほうがよいのでしょうか。むし歯などに影響があります

その6 朝、目がさめると歯ぐきに疲労感があり、寝ている間に歯をくいしばっているのではないかと思います。そのようなことが続き、頬の筋肉が痛くなり、首の付け根のこりもひどくなりました。

心配になり歯科口腔科で診察を受けましたが、神経質になりすぎと言われました。でも納得がいきません。

その7 十五年ほど前、歯科の診療中に気を失ったことがあります。それ以来歯科が怖く、その一方で歯は悪くなるばかりです。どうしたらいいのでしょうか。

その8 四年ほど前、親知らずを抜くために麻酔を打ったところ、急に寒気がし、このまま死んでしまうとパニック状態になり、救急車を呼んでいただきました。

それ以来、外に行けない、車に乗れない、仕事にも行けなくなりました。どうしたらいいでしょうか?歯はすっかりむし歯だらけになってしまいました。

その9 中学生のころから歯医者に行けず、十年以上むし歯を放置しています。治さなければいけないと思うのですが、どうしても歯を削るときのことが思いだされて、恐ろしくなってしまうのです。

二年前、右上の親知らずに激痛が走りましたが、痛み止めを飲んで我慢してしまいました。ほかの歯もほとんどむし歯です。でも、どうしても歯医者が恐ろしいのです。

その10 昨年、歯がしみるので近所の歯科で治療を受けました。治療の後、しみることはなくなったのですが、かむと痛みます。それが気になって再び診てもらったのですが、何の異常も見つかりません。

しかし、食事のたびに痛み、食べていてもちっとも楽しくありません。別の症状で精神科から薬をいただいてのんでいます。精神科でも歯のことはわからないようです。困っています。

歯と口の悩みを解決する本
著書:坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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二十代にも歯周病が増えている

歯科疾患実態調査(厚生省〔当時】・1999年)によると、五〜十四歳で37%、十五〜二十四歳で65%の人が、歯周病の第一期症状である歯肉炎にかかっています。この割合は、年齢が上がればさらに増えます。まさに、国民病といえます。

歯周病がこんなに増えたのは、むし歯ができる原因と同じで、繊維質の多い野菜や硬いものを食べなくなったからです。スナツク菓子などの軟らかいものを食べる人が増え、口の中に歯垢ができやすい状態をつくりだしているのです。

そして、歯周病は感染することもあるので要注意です。余計なおせっかいかもしれませんが、たとえ恋人同士でもキスをするにはエチケットが必要です。きちんと歯を手入れしておくのも愛情のひとつではないでしょうか。

また、糖尿病との関連も見逃すことができません。糖尿病は、病気そのものよりも動脈硬化、腎臓障害、網膜症などといった合併症が怖い病気です。この病気になると、唾液の分泌量が減ります。

そのために、喉が渇くという現象が目立ちます。異常に喉が渇いてしかたがないという症状から糖尿病が発見されることがよくあります。そして、喉が渇くと、口の中が不潔になりやすくなります。

若い人が糖尿病になった場合は、多くのむし歯ができるという傾向があります。中年以上の人が糖尿病になった場合は、むし歯より、むしろ、歯周病にかかりやすく、その結果、総入れ歯になる比率が高いという傾向があります。

不幸にして糖尿病になってしまったら、口の中の清潔を保つように注意することが、極力必要です。さらに、この病気で注意しなければいけないのは、全身の抵抗力が著しく低下することです。

ちょっとした傷でもなかなか治りにくいという症状がよくおこります。歯を抜かなければならなくなったときなどは、事前に、糖尿病であることを歯科医に告げるようにしましょう。

歯周病は大きなストレスだった

私たちのからだの働きは、自律神経系がコントロールしています。自律神経系は、ご存じのように交感神経と副交感神経のふたつで成り立っています。

運動するときは、交感神経が優位に働いて、心臓の働きが高まり、呼吸が速くなって、消化機能の働きが抑えられます。一方、食事をするときや休息をしているときは、副交感神経の働きが優位になり、心臓の働きや呼吸をおだやかにします。

消化機能も活発に働き、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動もさかんになります。じつはこの交感神経と副交感神経の働きと連動して、白血球の作用も変化します。

白血球は顆粒球とリンパ球に大別できますが、新潟大学の安保徹(あぽとおる)教授によれば、交感神経がからだを支配しているときは顆粒球が活性化し、逆に、副交感神経が支配しているときはリンパ球が活性化するそうです。

顆粒球とリンパ球が、交感神経・副交感神経とこのような関係で連動していることは、からだにとって生きていくのに都合のいい反応ですが、その反応がいきすぎると、今度は具合の悪い症状が現われます。

正常な人の場合、白血球に含まれる顆粒球とリンパ球の割合は、それぞれ60%、35%となっています。しかし、交感神経が緊張状態になると、穎粒球が70%、リンパ球が25%になります。

このときからだにどんな症状が現われるかというと、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯周病、不眠などがおこるということです。

一方、副交感神経が優位な状態ですと、顆粒球は45%、リンパ球は50%となり、鼻水がでる、からだがかゆい、じんましんがでる、元気がでない、アレルギー疾患になるなどの症状がでるということです。

私たちがストレスを感じている状態とは、交感神経が優位の状態をいいます。ストレスが過度になると、交感神経系も過度に緊張しています。安保教授によれば、その状態が多くの病気をつくりだしているといいます。

ストレスがもたらす代表的な不調症状は、さきほどもお話ししたように、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯固病、不眠などです。

普段私たちが、ストレスがたまったなと感じているとき、からだに感じる不調症状そのものといえるでしょう。

安保教授の研究成果に従って、私なりの考えを述べてきましたが、教授の研究をもっと知りたい方は『医療が病をつくる−免疫からの警鐘』(岩波書店)をご覧ください。

では、このストレスと歯のかかわりを見ていくと、まずは、いちばんわかりやすいのが歯ぎしりです。歯ぎしりがおこる原因のほとんどはストレス性によるものです。

寝ている間に、歯ぎしりや食いしばりをすることによってストレスを発散させていると考えられています。そのほかには、癖、かみ合わせの異常や合わない詰めものなどが考えられますが、これはきわめて少数です。

歯ぎしりのパターンは、カチカチ嶋らす、食いしばる、すり合わせる――だいたいこの三つに分けられます。

すり合わせ型は、むし歯治療の詰めものが合わずにおきることが多く、食いしばり型はストレスや内向的な性格が原因でおこります。カチカチ型はどちらの理由にも当てはまると分析されています。

坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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子どもの糖尿病が急増中

清涼飲料水の飲みすぎがからだに与える悪影響はむし歯以外にもあります。それは糖尿病です。データによれば子どもの糖尿病は二十年前にくらべて三倍に増加しているということです。

そして、、やっかいなのは、大半の子どもに、自分が糖尿病だという自覚症状がないことです。さきほども言ったように、からだにいいとされるスポーツドリンク類にも糖質が含まれています。

500mlの清涼飲料水を一本飲めば50gの糖を摂取していることになります。
これを、一日二〜三本本、飲み続ける若者も少なくないそうですが、そのため、本来は中高年の病気である糖尿病を若いうちから発症してしまうのです。

栄養所要量からみると、最も活動量が多い人でも砂糖の摂取量は一日当たり20gで十分といわれます。
ところが、清涼飲料水の原材料として使われるブドウ糖果粘液糖は砂糖にくらべて値段が安く、しかも砂糖より甘く、体内吸収が速いので、飲むと急激に血糖値が上がってインシュリンを浪費してしま
います。

最近、若い人が清涼飲料水をたくさん飲むうちに、急に意識がなくなって倒れてしまったという報告をよく聞きますが、それは糖尿病性ケトアシドーシスになったからです。

糖尿病性ケトアシドーシスというのは、糖尿病の悪化した状態をいい、インシュリン依存型糖尿病の人がインシュリン注射をやめたときや、必要以上に減量したときにおこる症状で、意識がなくなり昏睡(こんすい)状態に陥ります。

倒れてしまった若者たちの多くが、清涼飲料水を大容量のペットボトルで飲んでいたことから、この症状がペットボトル症候群と名付けられたのはみなさんも耳にしたことがあると思います。

そのほかにも、糖分の摂りすぎは、カルシム欠乏症やビタミンB1不足につながります。カルシウムが不足すると骨が弱くなるばかりか、イライラしたり、キレやすくなったりしますし、ビタミンB1が不足すると集中力がなくなり、朝からぼんやりしていたり、機敏な反応ができなくなってしまいます。

子どもを砂糖漬けにしないように育てるには、大人はもっと注意深くなる必要があります。喉が渇いたら水やお茶ーーやっぱり、それがいちばんいいようです。

砂糖は一日35g、塩を10gをめざしましょう。

糖分には心とからだの疲れを癒す働きもあるので適度な摂取は必要ですが、体重1kg当たり一日1gが上限といわれています。十三歳から十四歳の中学生の目標値は一日20gだそうです。

しかし、500mlの清涼飲料水一本を飲むだけで、もうその倍は摂取してしまう計算になります。では、体重60kgなら砂糖60gまでいいのかというと、それは大間違いです。

国民栄養調査によると一日最大で子ども25g、大人35gくらいが適当な量といわれています。
また、果物はビタミンCをたくさん含むので、たくさん摂るほど健康によいと思っている人が多いのですが、甘い果物は果糖を多く含みます。

糖分の摂りすぎがからだにどんな影響を与えるか、もう一度しっかりと認識して召し上がってください。さらに、もうひとつ付け加えておきますが、砂糖と同様に、塩の摂りすぎにも問題があります。

今さら言う必要もないでしょうが、脳卒中や高血圧を引きおこす原因となるからです。日本では一目平均13gも摂っているそうですが、厚生労働省は一日10gを目標にと呼びかけています。

塩は10g、砂糖は35gを目標値としましょう。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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妊婦の安全・安心な歯科治療

妊婦が重度の歯同病に罹患すると,歯周組織が作り出す炎症性物質と歯周病菌が歯周ポケット内の歯肉の毛細血管から血液中に入り込み,血液中のサイトカインやプロスタグランジン濃度が上昇し,子宮が収縮して出産が促進され,早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されています。

また,う蝕は感染性疾患であり,ミュータンス菌の伝播元である母親の口腔環境を妊婦の時期から整えることで,子供のう蝕を抑制できるという報告もあります。よって,妊婦の口腔環境を整えることは,安全な出産やノンカリエスの子供を育てるためには必須であると考えられます。

しかし,妊婦が歯科医院に来院すると「妊娠しているなら治療出来ません。」あるいは「出産してから治療しましょう」と言われてしまうことが多く見受けられます,妊娠自体は病気ではありませんが,歯科治療時の放射線の被曝や薬剤が胎児に悪影響を与えると考えられている為です。

胎児への影響を考えると,妊娠初期や末期は応急処置に止めるのが望ましいですが,中間の安定期であれば歯科治療が可能となります。その時の注意事項を以下に述べます。

【X線撮影】

歯科治療で行われるX線撮影の放射線量を1年間に人体が浴びる自然放射線量で換算すると,デンタルだと約150放,パノラマだと約100枚撮影するのと同等と言われており,非常に微量です。また歯科用のX線撮影は腹部から離れており,さらに防護エプロンの着用により被曝量を軽減できますので,胎児への放射縁の影響は無視できるレベルとなります。

つわりがひどくデンタルフィルムを口腔内に入れられない場合はパノラマ撮影をお勧めします。エックス線撮影から得られる情報によって正しい診断,治療ができることも事実です。しかし,妊婦さんの不安になる気持ちを考慮して最小限に抑える必要はあります。

【局所麻酔】

麻酔薬による胎児への影響ですが,歯科治療時に使用される局所麻酔は,2%リドカイン製剤(オーラ)を通常量の使用であれば,胎盤を通過しても胎児に悪影響を及ぼす血中濃度にならないことが報告されています。

しかし,血管収縮薬のフェリプレシン(シタネストーオクタプレシン)には,分娩促進作用があり,胎盤の循環を妨げるため,使用しない方がよいでしょう。妊娠中は精神的に不安定であり,神経性ショックや過換気症候群などへの注意が必要となります。

よって,治療時の疼痛によるストレスなどを考えると安定期(16週以降)であれば局所麻酔を使用した方が良いでしょう。ただし,高血圧や妊娠中毒症などリスクを抱えている場合は産科主治医との連携が必須といえます。

【投 薬】

薬物による胎児への影響は催奇形性があります。比較的安全で催奇性を考慮した薬物として,抗菌薬は第一選択としてペニシリン系(サワシリン,サワシリン(R)など)セフェム系(フロモックス,オラセブ(R)など)やマクロライド系(ジスロマック,ルリッド(R)など)。

鎮痛薬は非ピリン系のアセトアミノフェン(カロナール(R)など)が比較的安全といわれていますが,投与量は必要最小限に止め,長期投与は避けたほうが良いでしょう。逆に治療しないで感染が広がった慢性的な疼痛が出るほうが妊娠に与える影響は大きいと考えられます。

しかし、妊娠15週までは胎児の器官や臓器の形成期で,あり胎盤が安定していないので,薬物による催奇形性が発生しやすいとされているため,積極的な治療はせずに応急処置にとどめるほうが良いでしょう。

参考:歯学98春季特集号
児玉実穂
日本歯科大学附属病院総合診療科 マタニティ歯科外来
(口腔・介護リハビリテーションセンター)

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脳の機能回復には手足を動かすこととかむことが不可欠

なぜ、かむ力やかむ回数にこだわるかというと、育ち盛りの子どもにとっては脳の発達や運動能力の発達、高齢の方には痴呆症に関係してくるからです。

もちろん、若い人にとっても働き盛りの年齢の人にとってもかむことは大事ですが、その話は次の項目にゆずり、ここでは子どもと高齢の方に話題をしぼっておきます。

さまざまな実験や調査で、よくかむ子の知能指数の平均は、よくかまない子より高く、逆に、かむ習慣の乏しい子は、理解力や独創性、積極性、運動能力に欠ける傾向があるといわれています。

その理由はかむという動作によって大脳への血流が増え、記憶をつかさどる海馬というところの働きが活性化し、さらに背中や胸などの筋肉の発達に関係してくるからです。

ファミリーレストランに行くと、肘をついたり猫背で食事をしている子どもをよく見かけます。食事のときにこんな姿勢をしていると、首から上の筋肉に余計な緊張を与えてしまいます。

かんだり、飲んだりする動作の発達を妨げるだけでなく、悪い歯並びや顔の変形を引きおこしやすくします。また、こんな動作で食べられるのは、食べものが軟らかいので、かまずに飲み込めるからだともいえます。

そして、たとえば、いつも背中がどちらかに曲がっているような食べ方をしていると、バランスをとるために、背中の曲がりと反対の方向に自然と頭が傾きます。すると、今度は、首の筋肉にかたよった緊張が加わり、下のあごが頭の傾きと反対側のほうにずれます。

ずれがずれを生んでいくわけです。やがて、ずれが慢性化し、それがまたかみ合わせのずれと顔の変形をおこす原因につながっていくといわれています。

こうしたかみ合わせのずれは、当然、あごの関節に負担をかけ、やがては顎関節症(がくかんせつしょう)という病気を招く原因となりかねません。

また、片側でしかかまない癖がある人は、顔や背骨の変形をおこすだけでなく、肩こりや頭痛、耳鳴り、めまいなどの原因となっている場合があります。一方、高齢の方とかむことの関係ですが、こちらも海馬がかかわってきます。

アルツハイマーと呼ばれる老人性痴呆症患者の脳を調べてみると、この部分の神経細胞が死滅しているのが特徴です。ですから、海馬の神経細胞の死滅を少なくすること、これがアルツハイマー型痴呆症の予防につながるわけです。その海馬には血液不足に弱いという特質があります。

かむ回数を増やし、脳への血流を少しでも増やすことが大切ということになるわけです。自分の歯を多く保っている人ほど健康で痴呆が少なく、入れ歯を使用している人のほうが痴呆になりやすいというデータがありますが、そう心配することはありません。

入れ歯はあくまでリスクのひとつにすぎません。実際は、食べものをあまりかまないことが原因なのです。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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フッ素(フッ化物)の応用で強い歯を。

歯の強さ・弱さというのは、お口の中の環境を抜きにしては考えられません。歯そのものがどんなに強くても、甘いものを摂り過ぎたり、歯磨きをおろそかにしていたらむし歯になってしまうからです。

また、「カルシウムを摂れば歯が強くなる」とか、「妊娠中にカルシウムを摂らなかったから歯の弱い子になった」ということをよく耳にします。

しかし、歯はカルシウムだけでできているわけではありません。歯をつくる元となる蛋白質やリンなど、他の成分とのバランスが欠けていたら、いくらカルシウムを摂っていても何の効果も期待できません。

歯と栄養ということで考えれば、栄養価の高いものをバランス良く摂ることが大切です。それが強い歯をつくるとは断言できませんが、少なくとも弱い歯にはしないということは言えると思います。

歯の質を強くする物質がフッ素です。フッ素は、歯の成分のカルシウムと結びついて、フッ化カルシウムという化合物をつくり、これが歯の質を強めているのです。

むし歯は、酸によって歯のカルシウムなどが溶かされた状態をいいますが、フッ素はこれを防ぐための有効な働きをしているのです。

現在ではむし歯予防のために、フッ素を応用することが広く浸透しています。その1つが、歯にフッ素を塗る(フッ化物歯面塗布)方法です。2つ目は、フッ素を溶かした水溶液でうがい(フッ化物洗口)をする方法です。

フッ化物歯面塗布は、歯の萌出期や交換期に行うと効果的です。乳歯や生えたての永久歯は、歯の質がやわらかくフッ素を吸収しやすいからです。

高齢者に多い歯の根っこにできるむし歯(根面う蝕)の予防にも有効です。歯肉が下がって露出した根っこの部分はやわらかく、むし歯になりやすい反面、フッ素を吸収しやすいのです。

また、セルフケアとして効果的なのは、フッ化物配合歯磨剤を使用することです。フッ素イオンが、歯の再石灰化を促進して歯質を強化し、むし歯の発生を防ぐ効果があるのです。

世界保健機構(WHO)でも、全ての人々にフッ化物配合歯磨剤の使用を推奨しています。どんなに強い歯も、ケアを怠ればむし歯へと進行してしまいます。

むし歯予防の基本は、毎日のブラッシングでプラークを取り除くことです。プラーク中のむし歯菌が酸を発生させるので、プラークの除去が大切になるのです。

ただ、こうしたセルフケアと併せて、歯科医院で受けるプロケアも欠かせません。歯科医院では、プラーク除去のための正しいブラッシング方法をわかりやすく説明してもらえます。

またフッ化物歯面塗布は、年齢やお口の状態に応じた使用方法がありますので、歯科医院で相談すると良いと思います。

年に2〜3回は、かかりつけの歯科医院で定期的に健診を受けることをおすすめします。

参考 歯の学校 日本歯科医師会

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ホーム・ホワイトニングで歯のおしやれ

歯を白くする方法には、一般的な治療と同じように歯科医が行うオフィス・ホワイトニングと、歯科医の計画に従って、歯を白くしたいと希望する方自身が行うホーム・ホワイトニングとがあります。

ここではホーム・ホワイトニンケについてお話ししておきましょう。

ホーム・ホワイトニングは、使用する薬剤の濃度が薄く、歯への負担が少ないのでアメリカでは人気が高く、広く普及している歯の美容法です。その特色は以下のようになっています。

●歯を削ることがない。
●治療に麻酔を使わない。
●歯の周りの歯肉に影響がない。
●基本的に痛みをともなわないので心理的な負 担が少ない。
●比較的経済的である。

治療の方法は一日に四〜八時間(通常は睡眠時)、マウスピースの内面に低濃度の過酸化尿素(漂白剤)を注入したものを口腔内に装着します。

たいていは一週間以内で初期効果が確認できます。治療が完了するまでには四〜六週間かかりますが、きちんと実行しなかったり、あるいは変色の原因などによっては、もっと長い期間がかかることもあります。

漂白中や漂白後の一週間程度は、たばこ、コーヒー、紅茶、お茶、カレーライス、ソースなどの、色素が沈着しやすい食材は避けるようにします。

しかし、残念ながら、この効果が永久に続くわけではありません。効果が持続する間間は、日常のお手入れや食べものなどで個人差があります。

数ヶ月に一度、歯科医のケアを受けたばうがいいでしょう。さらにくわしく知りたい方は、歯科医院におたずねください。

歯と口の悩みを解消する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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原因不明の病気で悩んでいたら口の中を疑ってみよう

歯周病をはじめとした口やはの病気は、今述べた病気以外にも、毎日のいろいろなちょっとした不調の原因となっています。

歯石(しせき)や歯垢(しこう)などの歯の汚れを放置しておくと、口の中が炎症をおこし、それがきっかけとなって、手のひらに膿をもった小さなぶつぶつができたり、慢性腎炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性心筋梗塞などをおこすことがあるのは、歯科医の間では常識になっています。

また、悪いかみ合わせは、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、耳鳴りなどの原因になっていることもよく知られています。

かむための筋肉は、首や肩の筋肉と連動していますが、かみ合わせやかみ癖が悪く、適正に筋肉が使われていないと、片方の筋肉だけが硬直し、血管や神経が圧迫されてしまいます。

筋肉にかかるストレスがアンバランスになると、そのアンバランスを解消するために首を傾けたり、片方の肩を上げたりするようになり、やがてからだに不均衡が生じます。

それが原因で肩や首のこり、偏頭痛、目の疲れ、顔が歪むなどの症状がおこるのです。こういう歪みは、たとえば、カイロプラクティックや整体などで一時的に治っても、からだにそういう癖がついているのですから、またすぐに元に戻ってしまいます。

きちんと治すには、元々の原因、つまり歯のかみ合わせやかみ癖を治すことがいちばん重要です。また、なんとかうまくかもうとしてあごを無理に使うと、あごを中心とした首の周りの筋肉が疲労します。

首の周りには大切な神経や血管が走っていますが、その神経や血管を囲んでいる筋肉が疲れてしまうと、今度はこりが生じて神経や血管を圧迫し始め、脳の正常な反応にも悪影響を与えてしまいかねないのです。

口と歯の病気が全身に及ばす弊害は、頭痛、偏頭痛、肩こり、食欲不振、不眠に始まり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、そして、糖尿病や狭心症、早産など、多岐にわたっています。

原因不明の病気で悩んでいるようでしたら、一度、口の中を疑ってみることも必要でしょう。

歯と口の悩みを解消する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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保険診療と自由診療

ほとんどの歯科医院では保険診療と自由診療の両方を扱っていますが、どちらにウエートをおくかは、院長の経営方針によります。

基本的には保険診療だけれど、患者さんの希望で自由診療を行う医院と、自由診療しか行わない医院、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

保険診療には国によって決められた制約があり、診療の内容や使用できる材料が制限されています。ですから、ひとつの治療で、保険診療と自由診療が同時に行われることは今のところありません。

たとえば、ブリッジなどで、ある部分を自由診療で、ある部分は保険診療というようなことは違法です。ただし、入れ歯は例外で、一部保険と自費との混合が認められています。

保険診療は、患者さんは治療費の一部を負担すればすむので、経済的な負担が軽くてすみます。通常のむし歯の治療などは、とくに問題がなければ、保険診療だけで可能です。

自由診療の場合は経済的な負担が大きくなりますが、決められた枠にとらわれる必要がないため、患者さんに適した方法や材料で治療ができます。

たとえば前歯のかぶせものでいえば、保険診療ではプラスチックしか選べませんが、自由診療では、本当の歯に近い透明感や微妙な色までだすことができるポーセレンという陶質の材料を選ぶことができます。

自由診療だけを行っている医院は、保険医の認定を受けていないか、あるいは最初からポリシーがあって保険治療をまったく行っていません。

見分け方は医院の看板です。各種保険適用と書いてあれば、基本的には保険で治療してくれます。もし、途中から自費でしかできないと言われたら、看板に偽りありです。

参考:歯と口の悩みを解決する本
(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)

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日常生活で気づきたい 歯と口のストレス信号

ある日、ひとりの中年男性が診療室に駆け込んできました。初診の方です。急に歯が痛みだしたから、治療してほしいというものでした。

口をのぞいてみると、上の歯の左奥の親知らずがむし歯になっています。昨日の夜から急に痛みだしたそうです。

痛みの感じ方は人によって違いますが、その方はこんな痛みは初めてだと大騒ぎです。むし歯は歯髄にまで及んでいて、神経を抜くしかありませんでした。

治療を終え、ようやく落ち着いたその方から話をうかがってびっくりしました。口をのぞいただけですでにわかっていたことですが、三年以上歯石を取っていないし、歯をみがくのは朝だけということです。

これではいつむし歯や歯同病になってもおかしくありません。8020(ハチマルニィマル)というスローガンを聞いたことはないでしょうか?

これは、八十歳になっても自分の歯が二十本残るように手入れを怠らないようにしよう、そして生涯を通じて自分の歯でおいしく食べものをいただこう、という運動なのですが、この方の場合、8020はとうてい望めないことです。

きちんと歯をみがいて手入れを怠らなければ、歯は生涯の友となってくれるすぐれものです。でも、この方は、今のままではそれはぜったいに無理。ご自身で歯の寿命を縮めているとしか思えません。

みなさんのなかには、歯をみがく習慣がない、などという人はいないと思いますが、では、自分の歯と口の健康についてどれだけの関心をもって、そしてそれをどれだけ実行していますかと改めて間かれると、とたんに自信がなくなるのではないでしょうか。

歯をみがく時間、みがく方法ひとつをとってみても、間違って解釈されている方がかなりいます。

こうした情報不足は歯医者にも責任の一端がありますが、まずは、次の項目にどれくらい当てはまるかどうかチェックしてみてください。

基本中の基本といえる項目ばかりです。ひとつでも心当たりがあれば、手入れの仕方を見直す必要があります。

●やってみよう!歯の健康チェック

1)一年以上、歯科健診を受けていない
2)歯みがきは、いつもだいたい三十秒以内に終わる
3)歯と歯の間に食べものがつまる
4)冷たいものがしみる
5)歯が長くなってきた気がする
6)歯をみがくと歯ぐきから血がでる
7)朝起きたとき、口の中がネバネバする
8)口臭を感じることがある
9)歯ぐきがムズムズする
10)うまくかめない

いかがでしたでしょうか。少しでも心当たりがあるようでしたら、手遅れにならないうちに、この本をじっくりと読んで生活習慣をチェックしていただく必要があります。

それでもなお心配な方は歯医者さんの門を叩いて相談してください。脳梗塞やがんなどの重大な病気も、早期に発見できれば、それだけで治る確率がぐんと高くなります。

それは口と歯の病気にとっても同じことです。早めの手当てこそ、治療にかかる時間や、不安で悩む時間も少なくてすみますし、治療費も少なくてすみます。

ところで、人のからだは、前記のチェック項目にでてきたようなさまざまな兆候を無意味に発信しているのではありません。

自分で自分のからだを治そうとして、黄信号を点滅させているのです。たとえば胃の痛みがよい例です。お腹の調子がいいときは、胃腸がお腹のどの辺にあるのかなどと感じません。

しかし、食べすぎたり、ストレスで潰瘍ができたりすると、夜になってみぞおちのあたりが痛かったり、へその上がズキンズキンと痛んだりします。

歯と口が知らせる違和感もこれと同じことです。元気なときにはまったく意識していないのに、ちょっと故障があると、あれっ、前にくらべると歯が長くなったかな?

という見た目の感じや、最近、口の中がネバつくな、などといった感覚で、歯が痛みだしていることを知らせてくれているのです。免疫力とは違いますが、これもからだが備えている立派な防御反応です。

黄信号を無視して横断歩道を渡り始めたら、そのとたんに赤信号に変わってしまうこともあるかもしれません。

歯や口に限らず、からだが発信する合図に素直な気持ちで耳を傾けること、これがまず、健康の基本です。

参考:歯と口の悩みを解決する本
(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)

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唾液の分泌を低下させる口呼吸

口呼吸(こうこきゅう)をしていると、唾液の分泌が低下してしまいます。普通は無意識のうちに鼻で空気を吸って、鼻から吐きますが、最近は口から空気を吸って吐く人が増えてきました。

口呼吸をしていても自分では気づかない場合が多いので注意が必要です。

【ここがポイント】

・いつも鼻がつまっている人
・いつも口をあけている人
・唇や喉が渇きやすい人
・歯ぐきの色が悪い人
・むし歯がある人

口呼吸をしている人には、このような特徴が多いようです。とくに、前歯の表面の一部が白い人や口臭が生臭い人は口呼吸の疑いがあります。

口呼吸が歯にとって危険な理由は、むし歯や歯周病になりやすくなってしまうからです。その理由は唾液に関係してきます。

前にお話ししたとおり、口の中の酸性度がph5・5〜5・7以下になると、歯の表面に当たるエナメル質のすぐ下からカルシウムやリンが溶けだします。

この状態を脱灰(だっかい)といいますが、しばらくしますと、今度は唾液の力が働いて酸を中和し(緩衝作用)、きれいに洗い流す(浄化作用)などをして歯垢(しこう)の酸性度を中性にします。

すると、次に、唾液に含まれているカルシウムなどのミネラルが歯に沈着し、さきほど脱灰した部分が修復されます。この状態を再石灰化と呼びます。

つまり、口の中では食事のたびにむし歯ができ始めたり治ったりしているのです。しかし口呼吸をしていると、唾液が分泌されてもすぐに乾いてしまうため再石灰化もできず、むし歯や歯周病を進行させてしまうことになります。

口呼吸をしている人には、さらに次のような特徴があります。

【ここがポイント】

・自然に口が半開きになってしまう。
・前歯が飛びだしていたり、歯にすき間か多い。
・上下の歯のかみ合わせが逆になっている(受け口)。
・いつも片側の歯でかむ癖がある。かみ合わせも悪い。
・下唇が上唇より分厚い。
・唇がカサカサに乾燥する。
・朝起きると、喉がヒリヒリ痛い。

前に記した特徴と合わせ、このような兆候があれば口呼吸を行っている可能性が十分にあります。人間以外の哺乳類動物の場合は、鼻呼吸がふつうです。

人間の場合は口で呼吸をするので、扁桃腺炎やかぜなどの呼吸器の病気にかかりやすく、最近の子どもにぜんそくが多いのも、口呼吸の影響ではないかという説もあります。

元・東京大学医学部口腔外科の西原克成博士による口呼吸を治すトレーニングを簡単に紹介しておきますが、もっと詳しく知りたい方は『呼吸健康術』(法研)をお読みください。

参考:歯と口の悩みを解決する本
(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)

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脳の機能回復には手足を動かすこととかむことが不可欠

なぜ、かむ力やかむ回数にこだわるかというと、育ち盛りの子供にとっては脳の発達や運動能力の発達、高齢の方には痴呆症に関係してくるからです。

もちろん、若い人にとっても働き盛りの年齢の人にとってもかむことは大事ですが、その話は次の項目にゆずり、ここでは子どもと高齢の方に話題をしぼっておきます。

さまざまな実験や調査で、よくかむ子の知能指数の平均は、よくかまない子より高く、逆に、かむ習慣の乏しい子は、理解力や独創性、積極性、運動能力に欠ける傾向があるといわれています。

その理由はかむという動作によって大脳への血液が増え、記憶をつかさどる海馬というところの働きが活性化し、さらに背中や胸などの筋肉の発達に関係してくるからです。

ファミリーレストランに行くと、肘をついたり猫背で食事をしている子どもをよく見かけます。食事のときにこんな姿勢をしていると、首から上の筋肉に余計な緊張を与えてしまいます。

かんだり、飲んだりする動作の発達を妨げるだけでなく、悪い歯並びや顔の変形を引きおこしやすくします。

また、こんな動作で食べられるのは、食べものが軟らかいので、かまずに飲み込めるからだともいえます。

そして、たとえば、いつも背中がどちらかに曲がっているような食べ方をしていると、バランスをとるために、背中の曲がりと反対の方向に自然と頭が傾きます。

すると、今度は、首の筋肉にかたよった緊張が加わり、下のあごが頭の傾きと反対側のほうにずれます。

ずれがずれを生んでいくわけです。やがて、ずれが慢性化しそれがまたかみ合わせのずれと顔の変形をおこす原因につながっていくといわれています。

こうしたかみ合わせのずれは、当然、あごの関節に負担をかけ、やがては顎関節症という病気を招く原因となりかねません。

また、片側でしかかまない癖がある人は、顔や背骨の変形をおこすだけでなく、肩こりや頭痛、耳鳴り、めまいなどの原因となっている場合があります。

一方、高齢の方とかむことの関係ですが、こちらも海馬がかかわってきます。アルツハイマーと呼ばれる老人性痴呆症患者の脳を調べてみると、この部分の神経細胞が死滅しているのが特徴です。

ですから、海馬の神経細胞の死滅を少なくすること、これがアルツハイマー型痴呆症の予防につながるわけです。その海馬には血液不足に弱いという特質があります。

かむ回数を増やし、脳への血液を少しでも増やすことが大切ということになるわけです。

自分の歯を多く保っている人ほど健康で痴呆が少なく、入れ歯を使用している人のほうが痴呆になりやすいというデータがありますが、そう心配することはありません。

入れ歯はあくまでリスクのひとつにすぎません。実際は、食べものをあまりかまないことが原因なのです。

参考:歯と口の悩みを解決する本
(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)

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鬼の歯と替われ

日本では、赤ちゃんが生まれると、100日目あるいは110日目に、一生食べるものに不自由しないようにという願いをこめ、赤ちゃんに初めてごはんを食べさせる真似をする風習があります。

これをお食(く)い初(ぞ)めといいます。この時期は、ちょうど離乳期にも当たり、そのとき、地方によっては、しっかりと丈夫な歯が育ち、硬いものも食べられるようにと、小石を飾ったりします。

赤ちゃんは生まれたとき、すでにすべての乳歯が歯ぐきの中で完成していますが、お食い初めをするころには、まだ歯はまったく生えていません。生後六ヵ月ごろになって、やっと最初の乳歯が生え始め、三歳になるころにすべての乳歯が生えそろいます。

しかし、あと三ヵ月ほどで生えてくるはずの歯が丈夫であるようにと祈るこの儀式には、健康のためにはしっかりと食べること、そのためには、丈夫な歯が大切だということを、昔の人もきちんと肝に銘じていたことがうかがえます。

そして、六ヵ月がたつと最初にでてくるのは、ふつうは前歯です。歯ぐきからポチッと白いものが見えると、周りの大人たちは大騒ぎです。やがて、約十六ヵ月で上下の第一乳臼歯が生えそろいます。

しかし、生えそろった乳歯も、やがては永久歯と入れ替わるために抜けるときがやってきます。その抜けた歯を、今までお世話になった感謝の気持ちをこめ、また、しっかりした永久歯が生えてくることを願って、下の歯のときは屋根の上に、上の歯のときは縁の下に向かって投げる風習もあります。

そのとき、大きな声で「鬼の歯と替われ」「鬼の歯より先に生えろ」「雀の歯と替われ」「雀の歯と生えくらべ」「ネズミの歯と生えくらべ」などといった言葉をおまじない代わりに唱えます。

今は団地やマンションなどに住んでいる方が多く、簡単に屋根の上になど投げることができませんし、単なる迷信だといってしまえばそれまでですが、歯に対する感謝の思いはぜひ大事にしていきたいものです。

ちなみに、アメリカやヨーロッパなどでは、抜けた乳歯を枕の下に置いて眠ると、妖精やネズミがお金やプレゼントと換えていってくれる、といった言い伝えがあるそうです。乳歯が抜けると、いよいよこれから一生つきあうことになる大人の歯が生えてきます。

永久歯は、五歳過ぎから六歳までの間に下あごの前歯、続いて上下の奥歯(第一大臼歯)、小学校の二〜三年生で上の前歯、小学校の高学年を通じて小臼歯、小学校を卒業するころまでには、いちばん奥の臼歯が生え、しっかりとかみ合わせることができるようになります。

第二大臼歯が生え始めるころは、男女とも大人のからだへと成長する第一歩の時期に当たり、女子の場合、初潮とほぼ一致します。歯もきちんとからだの成長に合わせて生えてくるのです。

参考:歯と口の悩みを解決する本
(坂本歯科医院院長 坂本 貴史)

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黄色い歯を白くする

歯は、毎日しっかりみがいていても、必ずどこかにみがき残しがあるものです。いったん歯に付着してしまったコーヒー、茶しぶ、たばこのヤニ、歯石などは、毎日のブラッシングだけでは、なかなか取ることができません。

そして、これらの色素や歯石は、口臭やむし歯、歯周病など、さまざまなトラブルの元になるだけでなく、歯の美しさを損ねることにもなります。

明眸皓歯(めいぼうこうし)という言葉がありますが、この皓歯とは真っ白な歯という意味です。ついでにいうと、明眸は澄み切った美しい目のことで、美人を形容する四字熟語です。

白い歯は、やっぱり昔から好感度の重要ポイントだったのです。黄色い歯を白くするには次のような方法があります。

●クリーニング

歯に沈着した色素はクリーニングによって、本来の自然な色と美しさを取り戻すことができます。治療は次の手順で行います。

1)まず、歯周ポケットのがんこな歯石を、ハンドスケーラーで1本ずつ徹底的に取り除きます。

2)次に、歯の表面にこびりついた歯石を、超音波スケーラーを使って粉々に砕き、除去します。

3)そして、歯に付着しているコーヒーやたばこのヤニなどの汚れを残らず取り除きます。

4)仕上げは、歯の表面をぴかぴかにみがきあげます。クリーニングにかかる時間は六十分程度で、痛みもありません。

一般歯科で行っている歯のクリーニングは五千円くらいからです。審美歯科専門医で扱っているクリーニング費は一万円〜二万円ぐらいが平均でしょう。

●ホワイトニング

クリーニングで満足できず、もっと白くしたいという人には、歯の表面を白く着色したり、薬を使って歯そのものを白くするホワイトニングがあります。

ホワイトニングは、変色した歯を薬品を使って白くする方法です。内部から変色している歯や生まれつき変色している歯の表面に薬品を塗り、脱色しながら色素を取り除いていきます。

歯の表面から行うホワイトニングは、変色の度合いによっても違いますが、三〜四回の治療が必要です。しかし、その効果は永久的なものではなく、六ヵ月から一年です。二年くらいすると少しずつ戻ってきます。

ホワイトニングには、歯科医で行うオフィス・ホワイトニングと、医師の指導にしたがって本人が自宅で行うホーム・ホワイトニングがあります。ほとんどの方が、オフィス・ホワイトニングで治療を受けています。

次に、補綴処置(ほてつしょち)を応用した歯を白くする方法があります。自分の歯につけ爪のようにかぶせたり表側に張りつけたりする方法でラミネートベニアークラウン法といいます。

参考:「歯と口の悩みを解決する本」 著者 坂本 貴史

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「強い歯」に賛成。「弱い歯」に酸性。

■強い歯、弱い歯。あなたはどちらですか?

「うちは、上の子の歯は強いんだけど、下の子はむし歯がいっぱい。歯が弱いのよね〜」「うちは主人の歯は強いんだけど、わたしがダメ。すぐむし歯になったりして・・・」

こんな会話、少なからずお聞きになったことがあると思います。強い歯、弱い歯。だれにとっても、強い歯が良いに越したことはありません。

強い歯は、むし歯に負けない。強い歯は、なんでも食べられる。おいしく食事ができることは、それだけでも生活を豊かにしてくれます。

そればかりか、スポーツや力仕事で歯を食いしばることができるのも、強い歯があってこそです。また、人と話したり笑ったり、強い歯は生活のさまざまな面で大切な役割を果たしているんですね。

ちょっと大げさかもしれませんが、強い歯は人生を豊かにしてくれる宝物なのです。

■健康で強い歯をつくるために、どんなことを心がけたら良いでしょう。

さて、強い歯をつくるための秘訣は何でしょう?基本は何といっても毎日の歯磨きです。ブラッシングでむし歯の原因となるプラーク(歯垢)をしっかり取り除きましょう。

しかし、簡単なようでも、ちゃんと磨けていないのが現実のようです。ところで、このプラーク除去がなぜ大切かご存じですか?

実は、むし歯はプラーク中のむし歯菌(ミュータンス菌)が発生させる酸によって、歯のエナメル質が溶かされる病気なのです。ですから、強い歯のためにはプラーク除去が何よりも大切なのです。

■酸によって溶け出した歯を、健康な状態に戻す「再石灰化」。

歯は身体のなかでも最も硬い組織で、蛋白質、カルシウム、リンなどのミネラル成分でできています。そんなに硬い歯でも、ひとたび酸の攻撃に会うと、ミネラルが溶け出してしまいます。

このことを「脱灰」といい、やがて歯が溶かされてむし歯へと進行します。ところが、わたしたちの唾液の中にはカルシウムやリンが含まれており、溶け出したミネラルを補う働きがあるのです。

これを「再石灰化」といって、歯を健康な状態に戻すことができるのです。「脱灰」と「再石灰化」、これがわたしたちのお口の中で繰り返されているわけです。

■フッ素(フッ化物)で、より強い歯をつくりましょう


歯の再石灰化を促進させるものにフッ素があります。「むし歯予防のためにフッ素がいい」。そんなことを耳にした方は多いと思います。

事実、歯科医院、保健所などでは幼児のむし歯予防に、歯にフッ素を塗る(フッ化物歯面塗布)ことが実施されています。

また地域によっては、保育園、幼稚園、小・中学校で、フッ素の水溶液でぶくぶくうがい(フッ化物洗口)をしている所もあります。

平成17年の歯科疾患実態調査(厚生労働省)によれば、フッ化物歯面塗布を受けたことのある1〜15歳未満の人の割合は総数で59・2%にも達しています。

最近では、市販されている歯磨剤にもフッ素が入っているものが増えてきました。こうしたフッ化物配合歯磨剤を使うのも、酸に負けない強い歯をつくる有効な手段だと思います。

フッ素イオンが、歯の再石灰化を促進して歯質を強化し、むし歯の発生を防ぐ効果があるのです。フッ化物歯面塗布は、年齢に応じた使用方法があります。かかりつけの歯科医院で相談することをおすすめします。

むし歯に負けない強い歯をつくるためには、セルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアが欠かせません。歯科医院では、むし歯の有無をはじめ、ブラッシング指導、プラーク除去、フッ化物歯面塗布などの予防処置をしてくれます。

強い歯で人生を豊かに過ごすためにも、年に2〜3回は歯科医院で定期的に健診を受けましょう。

参考:歯の学校

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歯によいおやつとおやつの時間

子どもは、甘いものが大好きです。

あればあるだけ食べてしまいます。歯科医としては、どうしても甘いものに警戒警報をださざるを得ませんが、といってもすべての甘いものがいけないわけではありません。

とくにむし歯になりやすい食べものは、砂糖の入っているお菓子やジュース類です。

たとえばチョコレート、キャンディー、キャラメル、ケーキ、清涼飲料水などです。キャンディー、キャラメル、ガム(砂糖入り)は、口の中に砂糖が長い時間残るのでいちばんむし歯になりやすいといえます。

それにくらべて、果物や蜂蜜に含まれる糖は、比較的むし歯になりにくい糖です。甘いものを選ぶときの目安にしましよう。

ところて、むし歯を予防することを考えると、おやつは「お菓子の時間」ではなく[間食の時間」というふうに考えたほうがいいと思います。

おにぎり、ホットケーキ、パン、果物などに、ジュースや乳酸飲料ではなく、牛乳や麦茶などを飲みものとして添えるのがいいでしょう。

そのとき大事なことは、朝、昼、晩の三度の食事に影響を与えない量にすることと、だらだら食べさせないようにすることです。

いちばんむし歯になりやすいのは、小学校を卒業するくらいまでです。私の経験からいえば、その時期にむし歯にならなければ、大人になってもむし歯で苦労することが少ないように思います。

親が気をつけてあげれば子どものむし歯は減るし、その子が大きくなってもむし歯で痛い思いをすることが少なくなるのです。

おやつは「お菓子の時間」ではなく、「間食の時間」、これをぜひ実行してください。

参考:「歯と口の悩みを解決する本」 著者 坂本 貴史

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日常生活で気づきたい

歯と口のストレス信号

ある日、ひとりの中年男性が診療室に駆け込んできました。初診の方です。急に歯が痛みだしたから、治療してほしいというものでした。

口をのでいてみると、上の歯の左奥の親知らずがむし歯になっています。昨日の夜から急に痛みだしたそうてす。

痛みの感じ方は人によって違いますが、その方はこんな痛みは初めてだと大騒ぎです。むし歯は歯髄にまで及んでいて、神経を抜くしかありませんでした。

治療を終え、ようやく落ち着いたその方から話をうかがってびっくりしました。口のぞいただけですでにわかっていたことですが、三年以上歯石を取っていないし、歯をみがくのは朝だけとのことです。

これではいつむし歯になってもおかしくありません。

8020(ハチマルニィマル)というスローガンを聞いたことはないでしょうか?

これは、八十歳になっても自分の歯が二十本残るように手入れを怠らないようにしよう、そして生涯を通じて自分の歯でおいしく食べものをいただこう、という運動なのですが、この方の場合、8020はとうてい望めないことです。

きちんと歯をみがいて手入れを怠らなけれげ、歯は生涯の友となってくれるすぐれものです。でも、この方は、今のままではそれはぜったいに無理。ご自身で歯の寿命を縮めているとしか思えません。

この本を読まれているみなさんのなかには、歯をみがく習慣がない、などという人はいないと思いますが、では、自分の歯と口の健康についてどれだけの関心をもって、そしてそれをどれだけ実行していますかと改めて聞かれると、とたんに自信がなくなるのではないでしょうか。

歯をみがく時間、みがく方法ひとつをとってみても、間違ってて解釈されている方がかなりいます。こうした情報不足は歯医者にも責任の一端がありますが、まずは、次の項目にどれくらい当てはまるかどうかチェョクしてみてください。

基本中の基本といえる項目ばかりです。ひとつでも心当たりがあれば、手入れの仕方を見直す必要があります。

●やってみよう!歯の健康チェック

1)一年以上、歯科健診を受けていない
2)歯みがきは、いつもだいたい三十秒以内に終わる
3)歯と歯の間に食べものがつまる
4)冷たいものがしみる
5)歯が長くなってきた気がする
6)歯をみがくと歯ぐきから血がでる
7)朝起きたとき、口の中がネバネバする
8)口臭を感じることがある
9)歯ぐきがムズムズする

参考:「歯と口の悩みを解決する本」著者 坂本 貴史

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「食音文化」の廃れ(すた)れを案じて

■「たくわん、ポーリポリのパーリパリー、バーリバリーのポーリポリー」

おかみさんと食事をしている八っつあんと熊さんの食事風景に遠い昔の生活へのなつかしささえ感じます。噺家が語る落語の世界だけではありません。

お茶潰やうどん、そば、そうめんを音を立てて食べる習慣。私たちはよく知っているところです。

■「サーラサラー」「ズーッ、ズー」

欧米人の目にはこの日本人の食車中の音を立てるしぐさを粗野だと映る人がいるそうです。が、私たち日本人は、音を立てて食べないと、食べた気がしないし、音を立てて食道に放り込まないと、「喉越し」の感触も得られず、むしろ、おいしいところを逃して損をしたというように思ってもいます。

とろろ汁、せんべい、塩豆、落花生、ラッキョウ、そしてタクアン、山川漬をはじめとする漬物でも、ズ、ズッー、カリカリ、コリコリ、カリカリ、バリバリなどという音こそ味の決め手なのです。

このように、日本人にとって噛みごたえ、歯ざわり、食音は、おいしい味覚の一つとしてこれからも食文化の一つとして残していきたいものです。

でも、欧米化しつつある現在の食生活をみると、日本人は次第にこの歯ざわりや食言を失いかけているように思えます。また、音を立てないで食べるマナーが良しとされる欧米主導の文化の中で、音を楽しみながらよく噛みしめて食べる食品は減少しつつあります。

一方、よく噛んで食べられない子どもたちの増加がみられます。何千年もかかって私たちに引き継がれてきた「食音文化」が次第に廃れ去っていくのではなかろうかと真剣になって案じるのは私ひとりだけでしょうか。

参考 市来英雄著 「食」の摩詞不思議

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