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歯科に関するミニ知識 NO-6 NO-5 NO-4 NO-3 NO-2 NO-1
医療に関するミニ知識
全身の病気とお口の中の病気の深いかかわり




二十代にも歯周病が増えている。

歯科疾患実態調査(厚生省〔当時〕・一九九九年)によると、五〜十四歳で37%、十五〜二十四歳で65%の人が、歯周病の第一期症状である歯肉炎にかかっています。

この割合は、年齢が上がればさらに増えます。まさに、国民病といえます。歯周病がこんなに増えたのは、むし歯ができる原因と同じで、繊維質の多い野菜や硬いものを食べなくなったからです。

スナック菓子などの軟らかいものを食べる人が増え、目の中に歯垢ができやすい状態をつくりだしているのです。そして、歯周病は感染することもあるので要注意です。

余計なおせっかいかもしれませんが、たとえ恋人同士でもキスをするにはエチケットが必要です。きちんと歯を手入れしておくのも愛情のひとつではないでしょうか。

また、糖尿病との関連も見逃すことができません。糖尿病は、病気そのものよりも動脈硬化、腎臓障害、網膜症などといった合併症が怖い病気です。

この病気になると、唾液の分泌量が減ります。そのために、喉が渇くという現象が目立ちます。異常に喉が渇いてしかたがないという症状から糖尿病が発見されることがよくあります。

そして、喉が渇くと、口の中が不潔になりやすくなります。若い人が糖尿病になった場合は、多くのむし歯ができるという傾向があります。

中年以上の人が糖尿病になった場合は、むし歯より、むしろ、歯周病にかかりやすく、その結果、総入れ歯になる比率が高いという傾向があります。不幸にして糖尿病になってしまったら、口の中の清潔を保つように注意することが、極力必要です。

さらに、この病気で注意しなければいけないのは、全身の抵抗力が著しく低下することです。ちょっとした傷でもなかなか治りにくいという症状がよくおこります。

歯を抜かなければならなくなったときなどは、事前に、糖尿病であることを歯科医に告げるようにしましょう。

ドライマウスはむし歯や歯周病になりやすい

ドライマウスによって口の中には次のような症状がおこりやすくなります。

●入れ歯がすれて傷ができやすい。
●口内炎ができやすい。
●歯周病がなかなかよくならない。
●パンなど乾燥した食べものをなかなか飲み込めない。
●歯に着色物がくっつきやすい。

介護を必要とする高齢の方の場合などは、ドライマウスが原因で、上あごや舌の裏側に食べかすや痰などの分泌物がこびりついたままになっていたり、歯と歯の間や歯と頬の間にも食べかすがたまったままになっていることが多いので注意が必要です。

また、口の中が乾くことによって唾液の働きが低下し、むし歯、歯周病、口臭、カンジダ症などのトラブルが発生しやすくなりますので、そのケアも必要に応じて行わなければなりません。

ドライマウスの方が、まず日常生活で気をつけなければならないことは、口に刺激を与えないようにすることです。アルコールや香辛料などの刺激物を飲んだり食べたりすると、目の中の乾燥をさらに進行させてしまうからです。

ビスケットやクラッカー、おせんべいなどの乾いた食品は、とくに食べにくくなります。なるべくなら、そうした食品は避けたほうがいいのですが、どうしてもという場合には、十分に水分を摂りながら食べることです。

ただし、食べた後に乾燥がより強く感じられる場合は、症状が治まるまで食べるのをやめてください。ビスケットのようなものなら、ミルクティーに浸して食べる、パンならフレンチトーストにするなどして、工夫を加えて食べるといいでしょう。

歯周病の大きな要因はストレスだった

私たちのからだの働きは、自律神経系がコントロールしています。自律神経系は、ご存じのように交感神経と副交感神経のふたつで成り立っています。運動するときは、交感神経が優位に働いて、心臓の働きが高まり、呼吸が速くなって、消化機能の働きが抑えられます。

一方、食事をするときや休息をしているときは、副交感神経の働きが優位になり、心臓の働きや呼吸をおだやかにします。消化機能も活発に働き、胃腸の嬬動(ぜんどう)運動もさかんになります。じつはこの交感神経と副交感神経の働きと連動して、白血球の作用も変化します。白血球は顆粒球とリンパ球に大別できますが、新潟大学の安保徹教授によれば、交感神経がからだを支配しているときは顆粒球が活性化し、逆に、副交感神経が支配しているときはリンパ球が活性化するそうです。

顆粒球とリンパ球が、交感神経・副交感神経とこのような関係で連動していることは、からだにとって生きていくのに都合のいい反応ですが、その反応がいきすぎると、今度は具合の悪い症状が現われます。正常な人の場合、白血球に含まれる顆粒球とリンパ球の割合は、それぞれ60%、35%となっています。しかし、交感神経が緊張状態になると、顆粒球が70%、リンパ球が25%になります。

このときからだにどんな症状が現われるかというと、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯周病、不眠などがおこるということです。一方、副交感神経が優位な状態ですと、顆粒球は45%、リンパ球は50%となり、鼻水がでる、からだがかゆい、じんましんがでる、元気がでない、アレルギー疾患になるなどの症状がでるということです。

私たちがストレスを感じている状態とは、交感神経が優位の状態をいいます。ストレスが過度になると、交感神経系も過度に緊張しています。安保教授によれば、その状態が多くの病気をつくりだしているといいます。ストレスがもたらす代表的な不調症状は、さきほどもお話ししたように、肩こり、腰痛、便秘、食欲不振、高血圧、歯周病、不眠などです。普段私たちが、ストレスがたまったなと感じているとき、からだに感じる不調症状そのものといえるでしょう。

安保教授の研究成果に従って、私なりの考えを述べてきましたが、教授の研究をもっと知りたい方は『医療が病をつくるI免疫からの警鐘』(岩波書店)をご覧ください。では、このストレスと歯のかかわりを見ていくと、まずは、いちばんわかりやすいのが歯ぎしりです。歯ぎしりがおこる原因のほとんどはストレス性によるものです。

寝ている間に、歯ぎしりや食いしぼりをすることによってストレスを発散させていると考えられています。そのほかには、癖、かみ合わせの異常や合わない詰めものなどが考えられますが、これはきわめて少数です。歯ぎしりのパターンは、カチカチ鳴らす、食いしばる、すり合わせるIだいたいこの三つに分けられます。

すり合わせ型は、むし歯治療の詰めものが合わずにおきることが多く、食いしばり型はストレスや内向的な性格が原因でおこります。カチカチ型はどちらの理由にも当てはまると分析されています。

歯ぎしりの力は60〜80kg

不思議なことに、歯ぎしりができるのは眠っているときだけです。起きているときにやろうと思ってもできません。ものを食べるときでさえ、お煎餅で10kgの力しか使っていないのに、歯ぎしりをするときには、60〜80kgの力を使っています。

これはものすごい力です。毎晩これをやっていれば、歯はやがてグラグラし始め、すり減ってしまうのは当然です。これに、口呼吸が加われば、歯周病はもう目の前です。

私たちはストレスがたまってくると、抵抗力が落ちて、やる気も食欲もなくなってしまいます。こんなとき、普段はなんでもないのに、ちょっと無理をしただけでかぜをひいたりします。

むし歯も歯周病も細菌感染による病気ですから、抵抗力が落ちていれば、それだけかかりやすくなります。さらに、ストレスを我慢するために歯を食いしばったりするので、ますます歯に負担がかかります。

そこへ追い討ちをかけるのが唾液の分泌です。ストレスで体調が思わしくないときは、唾液の量も少ないし、サラサラしていません。つまり、歯をきれいにすることも再石灰化も思うように行なえません。

ストレスは、肩こりや頭痛、腹痛、腰痛、食欲不振、不眠だけでなく歯にも大きな影響を及ぼしているのです。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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子供の糖尿病が急増中

清涼飲料水の飲みすぎがからだに与える悪影響はむし歯以外にもあります。それは糖尿病です。データによれば子どもの糖尿病は二十年前にくらべて三倍に増加しているということです。そして、やっかいなのは、大半の子どもに、自分か糖尿病だという自覚症状がないことです。

さきほども言ったように、からだにいいとされるスポーツドリンク類にも糖質が含まれています。500mlの清涼飲料水を一本飲めば50gの糖を摂寂していることになります。これを、一日二〜三本、飲み続ける若者も少なくないそうですが、そのため、本来は中高年の病気である糖尿病を若いうちから発症してしまうのです。

栄養所要量からみると、最も活動量が多い人でも砂糖の摂取量は一日当たり20gで十分といわれます。ところが、清涼飲料水の原材料として使われるブドウ糖果糖液糖は砂糖にくらべて値段が安く、しかも砂糖より甘く、体内吸収が速いので、飲むと急激に血糖値が上がってインシュリンを浪費してしまいます。

最近、若い人が清涼飲料水をたくさん飲むうちに、急に意識がなくなって倒れてしまったという報告をよく聞きますが、それは糖尿病性ケトアシドーシスになったからです。糖尿病性ケトアシドーシスというのは、糖尿病の悪化した状態をいい、インシュリン依存型糖尿病の人がインシュリン注射をやめたときや、必要以上に減量したときにおこる症状で、意識がなくなり昏睡状態に陥ります。

倒れてしまった若者たちの多くが、清涼飲料水を犬容量のぺツトボトルで飲んでいたことから、この症状がペットボトル症候群と名付けられたのはみなさんも耳にしたことがあると思います。そのほかにも、糖分の摂りすぎは、カルシム欠乏症やビタミンB1不足につながります。カルシウムが不足すると骨が弱くなるばかりか、イライラしたり、キレやすくなったりしますし、ビタミンB1が不足すると集中力がなくなり、朝からぼんやりしていたり、機敏な反応ができなくなってしまいます。

子どもを砂糖漬けにしないように育てるには、大人はもっと注意深くなる必要があります。 喉が渇いたら水やお茶−−やっぱり、それがいちばんいいようです。

砂糖は一日35g、塩は10gをめざしましょう

糖分には心とからだの疲れを癒す働きもあるので適度な摂取は必要ですが、体重1kg当たり一日1gが上限といわれています。十三歳から十四歳の中学生の目標値は一日20gだそうです。しかし、500mlの清涼飲料水一本を飲むだけで、もうその倍は摂取してしまう計算になります。

では、体重60kgなら砂糖60gまでいいのかというと、それは大間違いです。国民栄養調査によると一日最大で子ども25g、大人35gくらいが適当な量といわれています。また、果物はビタミンCをたくさん含むので、たくさん摂るほど健康によいと思っている人が多いのですが、甘い果物は果糖を多く含みます。糖分の摂りすぎがからだにどんな影響を与えるか、もう一度しっかりと認識して召し上がってください。

さらに、もうひとつ付け加えておきますが、砂糖と同様に、塩の摂りすぎにも問題があります。今さら言う必要もないでしょうが、脳卒中や高血圧を引きおこす原因となるからです。日本では一日平均13gも摂っているそうですが、厚生労働省は一日10gを目標にと呼びかけています。塩は10g、砂糖は35gを目標としましょう。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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歯周病の治療法

最初に、歯ぐきの状態を把握するために、口全体のレントゲン撮影と歯周ポケットの深さを検査します。歯周ポケットとは、歯ぐきが歯からはがれてしまっている部分のことで、袋状になっているために、歯垢や歯石がたまりやすく、しかも取りにくくなっています。

次に、歯垢や歯石の除去を行います。それと同時に、かみ合わせの状態もチェョクします。かみ合わせを悪くしている詰めものを修正したり、歯が抜けたままになっていたところには歯を入れるように準備します。

それから、担当医や歯科衛生士が歯みがき指導を行います。もうおわかりのように、歯周病の予防は食後の歯みがきが決め手です。最初の検査と治療から約一ヵ月後、二度目の検査を行います。改善されていない箇所はさらに次の方法で治療します。

初期の治療で取りきれなかった深いところに付着した歯石は、麻酔をして、耳カキのような形をしたスケーラーで取り除きます。歯ぐきの傷んでいるところもきれいに削り取ります。しかしこの方法が行えるのは歯周ポケットが6mくらいまでです。それ以上深いところについた歯石は、歯ぐきを切開して歯石を取り除く手術を行います。

このときに活躍するのが、むし歯の治療の項にもでてきたレーザーです。歯周ポケットにレーザー光を照射して殺菌と消毒を行い、歯垢や歯石を取り除きます。もちろん麻酔はしないで処置することが可能です。

歯周組織再生誘導法(GTR法)とは?

歯周病が進行した場合、以前は歯を抜くしか方法はありませんでしたが、この治療法が開発されたことで歯を救えるようになりました。歯周組織再生誘導法とは、失われてしまった歯根部の周囲をゴアテックスという人工の膜で覆い、歯肉の侵入を防いで、歯槽骨を再生させる方法です。歯槽骨とは歯の土台になっている組織のことで、歯を支える役割をもっていますが、歯を失うと歯槽骨の役割がなくなるため、溶けてしまいます。

歯槽骨が吸収されてしまうと義歯のひとつであるインブラント(人工歯根)治療も困難になります。したがって、GTR法が有効なのは歯周病の症状が中程度の人までといわれています。 ところが、歯槽骨が溶けてしまった人でも、自分の骨髄を移植して再生する治療法が、福岡市の歯科医・清川宗克さんと久留米大医学部の田井良明教授(形成外科・顎顔面外科)らの研究グループによって開発され、二〇〇二年九月二十二目、広島市で開かれた日本口腔インプラント学会で発表されました。

研究グループは、骨髄の中に、骨に分化する幹細胞が含まれることに着目し、いったん歯を抜き、残った歯槽骨に患者自身の骨盤の内側から採取した骨髄を盛った後、歯肉で覆ったところ、約三ヵ月で歯槽骨が再生して、再移植した歯が固定され、半年後にはものがかめるようになったのです。

一九九八年四月以降、二十八〜七十四歳の患者二十九人にこの治療を試みたところ、二十七人は再移植した歯の脱落がなく、インプラントより歯の固着率がよく、細菌に感染しにくいという結果を得ました。つまり、これまでは入れ歯にするしかなかった人でも、自分の歯を再移植することが可能になったのです。

この治療法が一般化するまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、清川さんは「自分の歯でものが食べられる点に意義がある。新たな治療法の選択肢として広まってほしい」と話しています。

歯周病を予防する日常生活の注意点

むし歯は自分で治すことはできませんが、歯周病は、まだ歯肉炎の段階なら自分で治すことは十分に可能です。歯のみがき方から、食事のしかたまで、口の中の健康を積極的に自覚してケアをすれば、しっかりとよくなります。しかし、ある程度症状が進んでしまっている場合は、自分で勝手な判断をせず、一度診察を受けることが肝心です。歯周病の初期には、自覚症状がないことをしっかりと思いだしてください。

【ここがポイント】

歯周病を予防する歯のみがき方を紹介しておきましょう。

●バス法
歯ブラシの柄を振動させてみがく。歯と歯ぐきの間に四十五度の角度で毛先を当て、歯ブラシの先の位置は動かさずに、そのままこまかく振動させます。ブラシの先が大きく動くようなみがき方だと、力が入りすぎて歯ぐきを傷めたり、すり減らしたりしてしまいます。

●ローリング法
歯の表面の汚れや歯垢(プラーク)を取り、歯ぐきのマッサージができる方法。歯ブラシを歯ぐきに当て、上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ向かって歯ブラシを半回転させるようにしてみがきます。歯並びがよく、歯ぐきが健康な方に適しています。

●温めて予防する
歯ぐきを温めて血液の循環をよくすると、歯周病の予防に効果があります。それには、お風呂に入っているときに、温めたタオルを歯ぐきに当てたり、温水シャワーを口に当てたり、歯ぐきのマョサージなどをするといいでしょう。最近では、みがいているうちに温かくなる歯みがき剤なども開発されていますが、これなども、歯ブラシによるマッサージとの相乗効果が期待できます。

●ウオーターピックを利用する
ウオーターピックは、タンクに貯めた水をノズルの先から勢いよく発射し、歯についた汚れを洗い流す機器です。しかし、歯に付着した歯垢や歯石は、とてもしつこくこびりついていますので、洗ったくらいでは取り除くことができません。ウオーターピックを用いる目的は、歯ブラシの届かない歯周ポケットの底のほうを洗い流すことです。歯周病の方は、歯みがきと組み合わせて使うといいでしょう。水の中にうがい薬を混ぜるとより効果的です。

また、糖尿病を治療中の方、妊娠中の方も、歯周病になりやすいことがわかっています。糖尿病は末梢の血液が悪くなるため、妊娠中はホルモンの変化などのさまざまな生活環境の影響のため、抵抗力が落ちて歯周病になりやすくなってしまうのです。

そのほか、過剰なストレスや疲労、喫煙、栄養のかたよりによっても歯周病が進行したり、治りにくくなります。しっかりと栄養を摂り、かむ回数が増えるようなもの、コンブ、ひじき、こんにやく、野菜類、豆類などの食物繊維を多く含むものを食べ、からだ全体の健康を心がけて歯周病菌に対する抵抗力をつけましょう。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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気をつけて!最近こんな虫歯が増えています!

最近、小学校高学年から中学生にかけての子供たちの中に、歯と歯の間に虫歯が多発している子を時々見つけます。決して歯が磨けていない訳ではなく、むしろ比較的磨けている子供たちです。話を聞いてみると、スポーツドリンク(清涼飲料水)を頻繁に、中には水代わりに飲んでいる事が共通していました。

スポーツドリンクと聞くと体によく、他の缶ジュースや清涼飲料水よりもむしろ虫歯になりにくいというイメージがあります。しかし、糖類は5%以上含んでおり、その酸性度(pH)は歯が溶け出すといわれているpH5.4よりも低いpH3.5前後と言われています。

糖分を含み、酸性度も低いスポーツドリンクを、水代わりに飲んでいれば歯に悪い影響を及ぼします。また、この時期は体の成長期で食べても食べてもお腹が減る時期です。当然間食や食事の回数が増えます。口の中に食物の入っている回数、時間が多ければ多いほど虫歯なりやすいのですから、手軽だからといって、歯にまとわりつきやすいスナック菓子ばかり食べるのは避ける方がよいと思われます。

虫歯予防といえば、歯磨き、糖分の制限、フッ素塗布を思いつかれる方が多いと思われますが、食べ物の形態(硬さ、粘調度)飲み物の種類、摂取回数、食べる時間も非常に重要でこれらをおろそかにしてはその成果は望めません。難しいとは思いますが、これらのことは歯周病(歯槽膿漏)の予防にもつながりますので各家庭で工夫してみてください。

ブラッシング習慣の変化

最近は朝起きたときよりも、朝食後に歯をみがく人が増えているという調査結果が公表されました(ライオン調査)。1973年に歯をみがくのは70%の人が「起床後すぐ」だったのが、30年後の2003年には27%と大きく減少しました。替わりに「朝食後」は1973年の21%から2003年の73%と大幅に増加しました。

昼食後に歯をみがく人は2003年には32%で8倍に増加しました(1973年は8%)。その結果、2003年には1日に歯をみがく回数も2回と3回以上があわせて94%となっています。厚生労働省が6年ごとに行っている歯科疾患実態調査でも特に3回以上みがくという人が増加しています。

人間は昔から歯痛には悩まされてきました。禅宗の僧は毎朝、歯の清掃と口を漱ぐことが戒律として決められていました(律宗等)。江戸時代には将軍が三河の吉良の庄、後には赤穂の塩で総楊枝を使い、毎朝歯をみがいていたという記録が残っています。

このことが忠臣蔵の吉良家(三河)と浅野家(赤穂)の対立の背景にあったとする話もあります。また「お歯黒」が中世の公家や大名(お歯黒大名、駿河の今川義元)、江戸時代の既婚の女性の間でおこなわれていたのもむし歯予防という面があったことも事実でしょう。

しかしこれらはいずれも朝起きたときに習慣的におこなわれていたものです。夜寝ているときにはだ液の量も減少し、朝起きたときに口が粘つくなどの不快症状があるのを一掃したいという考えもあったと思います。これに対して現在ではプラークコントロールの考えが浸透してきて、朝食後にみがく人が増えてきていると思われます。

折角、1日に3回以上ブラッシングする習慣が定着してきたのですから、むし歯予防に、歯周疾患予防により効果のあるブラッシングを行いましょう。個人個人の歯並びやかみ合わせも違うのですから、むし歯になりやすいところ、歯肉炎になりやすいところは各々違います。ブラッシングの癖もあります。

歯科医院のスタッフの協力で自分にあったブラッシングの方法を見つけていただき、定期健診でチェックし、ブラッシングで及ばないところはプロのクリ−ニングで補いましょう。みなさんの大切なブラッシングの時間がお口の病気の予防により効果的になるよう願っております。

これは国立国会図書館に所蔵されている「お歯黒」を付けているところを描いた浮世絵じゃが、昔の人も歯には苦労していたんだな。お歯黒を付ける時はにおいが強いので朝家族が起きる前に行なったんだね。

埼玉県歯科医師会
http://www.saitamada.or.jp/knowledge/

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噛む8大効用

噛む効用を標語にしました 「ひみこの歯がいーぜ」

よく噛むことは、単に食べものを体に取り入れるためだけではなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしているのです。この噛む効用について、学校食事研究会がわかりやすい標語を作りました。

「ひみこの歯がいーぜ」です。弥生時代の人は現代人に比べて、噛む回数が何倍も多かったと考えられていますから、卑弥呼(邪馬台国の女王)だって、きっとしっかりよく噛んで食べていたのではないでしょうか。

「ひ」 肥満を防ぐ
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります。 よく噛むことこそダイエットの基本です。

「み」 味覚の発達
よく噛むと、食べもの本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。

「こ」 言葉の発音がはっきり
歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます。よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります。元気な顔、若々しい笑顔は、あなたのかけがえのない財産です。

「の」 脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します。あごを開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです。子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防に大いに役立ちます。

「は」 歯の病気を防ぐ
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。この唾液の働きが、 虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、細菌感染を防いだりして、 虫歯や歯周病を防ぐのです。

「が」 がんを防ぐ
唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的なのだとか。「ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです。

「い」 胃腸の働きを促進する
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、食べものがきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです。偏食なく、 なんでも食べることが、生活習慣病予防にはいちばんです。

「ぜ」 全身の体力向上と全力投球
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません。よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます。

8020推進財団

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お口の細菌と肺炎について

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を知っていますか?

お口から気管に入りこんだ細菌が、肺で増殖し肺炎を引き起こす場合が あります。

わたしたちがものを飲みこむとき、喉頭蓋(こうとうがい)という「フタ」 が気管に食物が入ってしまうのを防いでいます。

しかし年齢とともにこの機能が低下するため、気づかないうちに飲みこんだ ものが気管から肺へと流れこむことがあるのです。これを誤嚥といいます。

とくに高齢者では誤嚥性肺炎にかかる危険性は高くなります。 「フタ」の機能や体の抵抗力が低下していることが多いからです。この肺炎は高熱にならずに発見が遅れるケースもあるので注意が必要です。

お口の細菌を含んだ唾液などを誤嚥(食道ではなく気管から肺へと流入)することが誤嚥性肺炎を引き起こします。 これは眠っている時などに起こり易くなります。

お口の中が清潔に保たれている人は誤嚥性肺炎になる危険性が低いのです。

しっかりとプラークコントロールをして肺炎を未然に防ぎましょう。

金属アレルギーについて

生体のアレルギー反応は過敏症ともいわれ、現代人に特に増えている現代病といえます。

アレルギーを引き起こす抗原をアレルゲンと呼び、代表的なものにダニなどが混ざったハウスダスト(気管支喘息やアレルギー性鼻炎)や、花粉(花粉症)といったものがあります。さらに、アレルギーを起こす抗体としてIgE抗体というものがあり、健康な人にはほとんど存在しませんが、遺伝的にこの抗体がたくさん作られる人ではアレルゲン(抗原)と結びついてアレルギー反応が引き起こされます。食べ物に含まれるアレルゲンが消化管から吸収され、皮膚でアレルギー反応がでると痒みや蕁麻疹が起こったりします。

歯科の治療でも様々な金属が使われますが、それらをつけた後に稀にアレルギーが引き起こされる場合があります。唾液などに溶け出した金属イオンが唾液中のたんぱく質と結びついて起こるもので、口の中だけでなく手のひらやかかとが赤く痒くなり,放っておくと水ぶくれになる掌せき膿ほう症というものになってしまうことがあります。

この様な症状が出た場合には、速やかにかかりつけの先生に相談することをお勧めします。

歯科X線と被曝

歯科用レントゲン写真には、お口の中に小さなフィルムを入れて撮るデンタルX線写真と、お口全体を外側から撮るパノラマX線写真があります。それでは歯科医院でX線撮影をすると、どのくらいの被曝線量になるのでしょうか?

撮影部位によって異なりますが、デンタルX線写真1回の撮影で0.004〜0.02mSv(ミリシーベルト)、パノラマX線写真の場合では0.01〜0.02mSvです。また胸部X線CT検査6.9mSv、胃X線検査(透視撮影)2.7~4mSv、日本で人が自然に浴びる放射線量(年間)1.5mSvです。

このように歯科医院で撮影するレントゲン写真の被曝量は大変少ないことが分かります。 またX線写真撮影時に鉛が入った防護エプロンをする事で、被曝を減らすことが出来ます。正確な診査の為に必要なレントゲン撮影にご協力お願い致します。

1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)1ミリシーベルト(mSv)=1000マイクロシーベルト(μSv)です。

一般社団法人平塚歯科医師会

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たばこと歯同病2

たばこの煙には、ニコチン、タール、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、シアン化水素など、二百種類以上の有害物質が含まれています。それらの物質が、肺や心臓に害を与えるのと同様に、歯の周りの組織(歯周組織)にも悪い影響を及ぼします。

平成八年、厚生省(現・厚生労働省)が厚生大臣に提出した意見書によれば、喫煙習慣は、肺がん、気管支炎などとともに歯周病をおこす要因であると指摘しています。そして、その意見書のなかで、さらに次のように言っています。

●非喫煙者にくらべて、歯石がつきやすい。
●歯ぐきの血行や免疫機能(防御機能)を低下 させる。
●歯周病の治療を行っても、治りが悪く、再発しやすい。
●歯周病にかかるリスクが高いのは、第一に高齢者。第二に喫煙者。

タール(ヤニのこと)は歯の表面にこびりつき、歯ブラシでもなかなか取れません。歯の裏側にこげ茶色に付着し、さらにこの部分には、むし歯や歯周病の原因となる歯垢が沈着しやすくなり、歯周病の発症や進行を早めてしまいます。

また、ニコチンは、歯ぐきや歯を支えている骨などの健康な細胞を傷つけ、炎症を引きおこしますし、免疫に必要な細胞も減少させてしまいます。そのため歯ぐきの抵抗力が落ちて歯周病が進行しやすくなり、治療効果が低下します。

あるデータによれば、喫煙者は非喫煙者とくらべて、二〜九倍の割合で歯同病にかかりやすいそうです。といってもたばこを吸わない人が歯同病にならないわけではありませんので、くれぐれも油断は禁物です。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院 院長 坂本貴史

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幼児のむし歯予防

子どもの歯をむし歯から守るには、次の三項目を生活習慣にするこ
とです。

1)甘いおやつは一日一回にする。
2)口や喉が渇いたらお茶にする。
3)むし歯の発生を防ぐ効果があるキシリトールを代用甘味料として使う。

そして、夜、子どもの寝つきが悪いからといって、寝る前にミルクやジュースをあげることは絶対にやめることです。もしあげるなら、お茶か水にしましょう。もちろん、寝る前のていねいな歯みがきも忘れないでください。

歯みがき剤も、できるだけフッ素やキシリトールなどが入ったものがいいでしょう。家庭で使用できるフッ素スプレーは、歯科医院や薬局で購入することができます。値段は一四〇〇円前後とちょっと高めですが、使用後にうがいをする必要がなく、小さな子どもにも利用しやすくなっています。

それでも、むし歯ができてしまうことがありますが、初期の段階で見つけるには次の方法があります。

その1 親がいつも口の中を見てやる。明るいところで口をあけさせ、歯の表面にぽつんと褐色の斑点ができているところがないか見るだけです。あればむし歯の始まりです。

その2 定期健診を受ける。むし歯のできやすいところは、臼歯の溝、歯と歯の接しているところ、歯と歯ぐきの間です。これらは歯垢のたまりやすいところで、みがいてもなかなか汚れの取れにくいところです。

こうした部分にできるむし歯はレントゲンを撮って初めて発見されることもあるくらいです。素人目ではなかなか見つけることはできません。歯科医の定期健診を受けていれば見落としも滅らすことができますので、ぜひ受けるようにしましょう。

子どものむし歯は進行が速い

乳歯のむし歯の進み方はとても速く、数ヶ月間で急に大きな穴があき、しかも、数本の歯が同時にボロッとくずれるのが特徴です。それでも痛がらない子どもが多いのです。そして、乳歯にむし歯の多かった子どもは、永久歯もむし歯になりやすいことがわかっています。

では、もし子どもにむし歯ができてしまった場合、歯科医院ではどんな治療を行うのでしょう。お母さんご白身が、怖い、痛いと思っていると、その気持ちは必ず子どもに伝わります。

そうなれば、子どもも尻込みするのは当然です。しかし、安心してください。子どものむし歯の治療は大人とは違います。痛みはなく、歯の色が変色してきた程度の初期のむし歯であればフッ化ジアミン銀という薬を塗るだけでむし歯の進行を止めることができます。

塗った場所が多少黒くなりますが、短時間の治療ですみます。子どものむし歯は進行が速いので、早期発見・早期治療が大切です。しかし、残念ながら、進行してしまったむし歯の場合はそうはいきません。

それなりの患者さんの協力が必要です。協力とは、時間がかかる、ちょっとは痛みがあるなどを、少々がまんしていただくことです。

進行したむし歯の症状は、しみる・痛む・歯肉が腫れるなどですが、その内容によって、神経を抜く、歯にあいた穴をふさぐ、歯を抜くなどの処置が必要です。

治療期間も症状によってそれなりにかかります。緊急の場合は強制的な治療を行わなければなりません。場合によっては鎮静剤や全身麻酔による治療が必要になることもあります。

そうならないためには、毎日のていねいなブラッシング、甘い食べものに注意する、定期健診を受けることなどが、やっぱり大切な基本です。

幼児の歯磨きのポイント

両親が毎日二〜四回、正確に歯みがきをすることが、お子さんの歯みがきを習慣づけるための早道です。

しかし、歯みがき剤を使うと口の中が泡だらけになってしまい、小さなお子さんはいやがります。それに、実際にみがけているかどうかもわからなくなりますので、歯みがき剤は使わず、歯ブラシには水だけをつけてみがくようにしてください。


まず最初にお断りしておきますが、最初から素直に歯をみがかせる子どもはいません。たいていが、いやがって暴れます。

お子さんが暴れる場合、両親は次のようにしてください。

1)太ももの間に子どもの頭をはさみます。
2)歯ブラシは小さめのものを選んでください。大きい歯ブラシでは奥歯などがみがけません。歯ブラシの植毛部分が長さ11・5〜14・5mm、幅5・5〜7mm、毛先の長さ5・5〜6・5mm程度のものを選ぶようにしてください。

電動歯ブラシは毛先の当て方の強さがわかりません。歯ぐきを傷つけても気がつかないことがありますので、お子さんには使わないでください

3)前歯をみがくとき、親指や人差し指で歯ぐきの小帯(唇と歯ぐきをつなぐスジ)を押さえます。

それから、指にそって歯ブラシを動かすとうまくみがくことができます。強い力はいりません。細かく歯ブラシを横に動かし、歯ブラシの毛先で軽くみがくのがコツです。二本ずつみがくようにしましょう。

4)上の前歯の裏側は歯ブラシを立ててかきだすようにみがきます。下の前歯の裏側、側面も同様に磨きます。

5)奥歯は口を大きくあかないとみがくのがむずかしいところです。口の中を傷つける恐れがありますので、決して無理はしないように注意しましょう。奥歯の溝はゴシゴシみがいてもかまいません。

小学校の二年生前後になると上手に歯をみがいているように見えますが、実際はむし歯になりにくいところしかみかけていません。まだまだ、お母さんの仕上げみがきが必要です。

また、小学校小学校へあがると、仕上げみがきをやめてしまうことが多いようですが、このころは乳歯が永久歯へと生え替わる大切な時期です。そのため、いつもどこかの乳歯がグラグラしていたり、永久歯が生え始めたりなどして、歯並びがでこぼこしています。

その結果、どうしても口の中が不潔になりやすい状態になっています。そのうえ、生えたての永久歯はむし歯になりやすい傾向があります。つまり、この時期は今まで以上にお母さんの仕上げみがきが必要な時期なのです。

歯科医の立場からいえば、ハ〜九歳ころまでは、一日一回は仕上げみがきを、できれば寝る前にしてあげたいものです。そして、もう一度念を押しておきますが、仕上げみがきをしてあげるときには歯みがき剤は使わず、歯ブラシに水だけをつけてみがくようにしてください。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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小顔の人は歯列不正になりやすい

最近は、もって生まれた素質を度外視して、誰もが小顔をめざしています。それは若い女性向けの雑誌を見れば一目瞭然です。ツボを押せば小顔になれる、クリームを塗るだけで小顔になれる、そのほかには、顔体操、整形、化粧など、小顔になるための方法が目白押しです。

こうした傾向に水を差すわけではありませんが、歯科医としてはひとこと耳の痛いことを言っておくべきでしょう。「小顔」について、骨格や歯の形に基づいて日本人の進化を研究している東大名誉教授の植原和郎(はにはらかずろう)さんはこう言って警告しています。

「小顔はあごの骨が小さく面長で顔全体がきゃしゃなのが特徴です。口とあごをあまり動かさずに飲める哺乳瓶で育ったことと、軟らかいものを多く食べてきたことが原因です。あごの骨が小さくとも、歯のサイズは変わりません。その結果、歯がちゃんと並ぶためのスペースができず、歯並びが悪くなります。

上下のかみ合わせが悪いタイプの歯列不正になると、食べものがうまく咀喘できず、消化器系の障害がおこります。頭痛、肩こり、耳鳴りの原因にもなり、それがストレスとなって、うつ病の引き金にもなります」

本書を今まで読み進んできた方は、まさにこの意見に同感でしょう。顔の大きいのを悲観していた方は、どうぞ、記念写真を撮るときなど後ろのほうに引っ込んだりせず、最前列でにっこりと笑ってください。

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坂本歯科医院院長 坂本貴史

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口腔がんについて

はじめに

口には、「食べる」、「しゃべる」、「表情を作る」などの、豊かな人生を送るための重要な働きがあります。ところが、このように体の大切な一部である口にも体の他の部位と同様にがん(口腔がん)が発生することは意外に知られていません。

初期の口腔がんは簡単に治すことができ後遺症もほとんど残りません。しかし、進行した口腔がんの場合は、治療により舌やあこの骨がなくなったり顔が変形したりするため、食事や会話に著しい障害が生じます。また、最悪の場合は口腔がんで命を落としてしまうこともあります。

口は肺や胃と遺って自分で直接見ることができるため、口腔がんは肺がんや胃がんと比べればすっと発見しやすいがんであるといえます。それにもかかわらすかなり進行するまで口腔がんが放置されることはそれほど珍しいことではありません。これは一般の方々に、口腔がんについての知識があまりないことが原因と思われます。

■1口腔がんとは

1:口と口腔がん

口には、咀嚼(そしゃく)(ものを咬(か)む)、嚥下(えんげ)(飲み込む)、発音などの重要な機能があるため、口の健康は生きていくうえでとても大切です。口の病気といえば、口内炎、歯周病、むし歯などが一般的ですが、口にもがん(口腔がん)が発生し、近年その数が増加していることはあまり知られていません。

口腔がんは早期発見・早期治療によりほとんど障害を残さないで治療ができる病気ですが、進行したがんでは大がかりな治療が必要になり、食事や会話などの日常生活に大きな障害が生じます。

口の中は胃や肺などと違って直接目で見て触ることができるので、胃がんや肺がんに比べれば口腔がんは早期に発見しやすいはずです。にもかかわらず初期がんの状態で病院を受診する方が少ないのは、一般の方々の口腔がんに対する知識が乏しいことが原因と考えられます。実際、口腔がんで来院された患者さんから、「口の中にがんができることを知らなかった」、「近くにそのような病気にかかった人がいなかった」といわれるのは決して珍しいことではありません

2:口腔がんの実際

口腔がんの中で最も多いのは「舌がん」で、次に多いのは歯ぐきにできる「歯肉がん」です。その他に、下顎の歯ぐきと舌の間にできる「口腔底がん」、頬の粘膜にできる「頬粘膜がん」、上顎の内側にできる「口蓋がん」などがあります。

3:発生状況・治療実績

国立がんセンターがん対策情報センターのがん情報サービスによると、わが国では口腔がんで亡くなる方が急増しています。口腔咽頭がんによる死亡数を1990年と2005年とで比較すると、男性が約2000人から2倍の約4000人へ、女性も約750人から2倍の約1500人となっています。

患率・死亡率は、ともに50歳以降から増加し、男性が女性の約3倍です。死亡率の年次推移は、1960年から2000年までの40年間で著明な増加が見られます。口腔がんの5年生存率は60〜80%といわれていますが、初期がんでは90%以上の生存率も報告されています。

■2診断

1:視診・触診

口腔がんの診断は視診と触診から始まります。典型的な口腔がんは、盛り上がったようなかたまりや、しこりを伴う潰瘍(粘膜表面がえぐれて欠損が生じた状態)です。その他に、粘膜が白くなったり赤味を帯びている状態もがんが疑われることがあります。

2:生検(病理検査)

視診・触診でがんが疑われた時最初に行なわれる検査です。異常のある病変部を小さく切り取り、その組織を顕微鏡で観察してがんかどうかを診断します。

3:CT・MRI・PET(画像検査)

がんの広がりを正確に診断するために行なわれます。首のリンパ節への転移や肺や肝臓などへの転移を見つけるのも画像診断の大きな役割です。

(1)CT(コンピュータ断層撮影)
人体にX線をあてコンピュータを用いて処理し、内部構造を輪切りにした画像にします。

(2)MRI(磁気共鳴画像装置)
磁場と電波を用いて体の内部構造を輪切りにした画像を撮影します。

(3)PET−CT(ポジトロン断層法)
がんの糖代謝が盛んなことに着目し、ガンの存在部位を診断します。

■3病期(ステージ)

病期とはがんの進行程度を示すことばでステージとも呼ばれます。病期はローマ字の1〜4期に分類され、4期はさらにA、B、Cに分けられます。口腔がんの病期は、がんの大きさ(T1〜T4)、首のリンパ節(頸部リンパ節)への転移の状態(N0〜N3)、他臓器への遠隔転移の有無(M0、M1)によってきまります。

■4治療

口腔がんの治療法は主に病期に基づいて決定されます。手術療法と放射線療法が治療の中心で、状況に応じて化学療法が併用されます。各病期に対する代表的な治療法は以下のごとくです。

1期
手術療法または放射線療法が単独で行なわれます。

2期
手術療法、放射線治療のどちらか、または両方が行なわれます。場合により化学療法が追加されます。

3期
手術療法が行なわれます。放射線治療や化学療法もよく併用されます。

4A〜C期(手術で切除可能ながん)
手術療法が行なわれます。
放射線治療や化学療法もよく併用されます。

4A〜C期(手術で切除できないがん)
放射線療法と化学療法が行なわれます。
場合によっては積極的な治療の代わりに緩和ケアを行なうこともあります。

社団法人 がん研究振興財団 小冊子「口腔がんについて」より

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舌痛症その3

原因の多くは心因性

なんとなく舌先がぴりぴりしたり、舌がやけどをしたようにヒリヒリして痛い--これは舌痛症(ぜっつうしょう)と呼ばれている症状です。

更年期を迎える四十、五十代の女性に多いことから、ホルモンのアンバランスや自律神経の変調などと関係があるといわれていますが、最近では、年齢や性別にかかわらずこの症状を訴える方が増えている傾向にあります。

痛みを感じる部分は、舌の先や舌の縁の両側が大半ですが、診察をしてみると、舌の表面には異常がないのが特徴です。そして食事中や会話中には痛みは軽くなるか、感じなくなります。

舌痛症は、その原因によってふたつのタイプに分類できます。

●一番目のタイプ

さまざまな原因によって舌痛症もしくは舌痛症に似た症状がおきます。原因としては次のようなものが考えられます。
1)ビタミンB12欠乏症
2)貧血(とくに鉄欠乏性貧血)
3)糖尿病
4)微量元素(亜鉛など)の欠乏
5)感染症(カンジダ症など)
6)高血圧、低血圧、動脈硬化
7)薬剤の副作用
8)口腔乾燥
9)むし歯、歯固病

このほかに、細菌やウイルスの感染による口内炎、口の中に潰瘍のできる病気、舌がんなどがあります。入れ歯や歯列矯正用の器具が口に合わなかったり、むし歯や歯のとがった部分で傷ついて痛みを感じたり、治療に用いた金属のアレルギーが原因になっていることもあります。

西洋医学的に原因が特定できるのは、目の乾燥やふしぶしの痛みをともなうシエーグレン症候群、舌の両側の縁に白いただれができる扁平苔癬(へんぺいたいせん)、ビロード色をしたただれができる紅斑症(こうはんしょう)、カビが原因で白い腫瘍のようなものができるカンジダ症、舌に黒い毛が生えたように見える毛舌症(もうぜつしょう)などがあげられます。

口内炎としては、直径数mmのぶつぶつが繰り返してできる再発性アフタ性口内炎、舌が赤くただれるハンター舌炎、唾液の分泌量が減少して口腔粘膜全体が赤くなる口腔乾燥症などが考えられます。

●二番目のタイプ

1)舌痛症というと、一般的にはこちらのほうを指します。はっきりとした原因はまだわかっていませんが、心理的な要因が関係していると考えられています。

1)うつ病→気分の悪化とともに口の乾き、味覚異常、口の痛みなどを訴えます。抗うつ剤は口の乾きを悪化させることもありますので、歯科医は、舌の痛みを訴えて訪れた患者さんが、歯科以外にどんな治療を受けているのかを確認することが必要です。

2)心気症→こちらも舌には異常が見つかりませんが、患者さんは、自分が感じている舌の感覚を病気と確信しています。しかし社会生活はまったくふつうだったり、あるいは何かに熱中したりすると、舌の痛いのを忘れるなどの特徴があります。


3)妄想性障害→舌がんなどの重大な病気にかかっているという妄想が、常に持続している症状をいいます。

4)心因性疼痛→原因のわからない痛みが六ヵ月以上続き、1)2)3)の精神科的疾患に当てはまらない症状をいいます。

これら1)〜4)の心理的な原因でおこる舌痛症は、神経質で几帳面な性格の人に発症しやすい傾向があり、前述したように、食事をするときには痛みがなくなったり、和らいだりすることが多く、舌のことを、あまり気にしすぎると、痛みがよりひどくなる傾向があるようです。

舌痛症の治療法

まず、一番目のタイプの1)〜9)までは必ずチェックします。貧血や糖尿病、それに亜鉛の検査後、それらの結果次第で内科や耳鼻科(口腔乾燥)で診察を受けていただくことがあります。

二番目のタイプが考えられる場合は、心理的なことから痛みもおこることを患者さんに告げ、納得いただいたうえで精神科への紹介、抗うつ剤の処方などを考えます。

ただし、歯科医師として基本的に守らなければならないことは、むし歯や歯のとがった部分のせいで痛みを感じているなどのように原因がはっきりしているものは、その原因の除去に努めることがまず第一です。さらに、口腔内の衛生状態の改善に注意して、あせらずに症状の改善に努めることが大切です。

舌痛症は神経質な人や几帳面な性格の人におきやすい傾向がありますが、これに対してはビタミンB1、B12を補給すると症状が改善することがよく知られています。

B12、鉄、亜鉛が足りていますか?

●ビタミンB12 赤いビタミンとして知られるB12の慟きには、貧血予防、脂肪・炭水化物・たんぱく質が体内で適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、刺激に対する過敏な反応をなくすなどがあります。

B12が不足したときに最も顕著に現れる症状は、悪性貧血や神経に関連する障害です。欠乏の症状は、からだがこのビタミンを使い果たしてから五年以上経って初めて現れます。多く含んでいる食品は、レバー、牛肉、豚肉、卵、ミルク、チーズなどが代表的です。

●鉄 このミネラルの特徴は、女性は男性にくらべて二倍の量が必要だということです。貧血予防、皮膚の血色をよくする、疲労を防ぐ、病気に対する抵抗力を増進する、などの働きがあり、ビタミン類が効率よく働いてもらうためにも欠かせません。

鉄を多く含んでいる食べものには、牛や豚のレバー、ハマグリ、アサリ、赤身の肉、卵黄、カキ、ナ。ツ類、豆類、アスパラガスなどがあり、ビタミンCといっしょに摂ると、よく吸収されます。

●亜鉛 からだ全体の仕組みがスムーズに働くように、オーケストラでいえば指揮者のような働きをしているのがこのミネラルです。たんぱく質やDNAの合成には不可欠で、最近の研究では統合失調症の治療にも重要なことがわかっています。

傷の治りを早めてくれる、前立腺の障害を除く、コレステロールの沈着を減らすなどの働きがあります。たくさん含んでいる食品は、肉、レバー、カキ、カボチャの種、卵など。汗をかきすぎると多くの亜鉛が失われるので、食事やサプリメントで袖うことが大切です。

舌痛症を予防する日常生活の注意点

口の中の手入れをすませた後は、心のもち方が犬切な要因になります。病気は患者自身が治すもので、医師は、そのお手伝いと環境づくりをさせていただく、このことを患者さんにわかっていただくことが必要です。

そして、バランスのよい食生活、十分な睡眠、ほどよい疲労感のある運動、たとえばストレス発散に効果があるといわれるウォーキングなどの早歩き健康法などが大切であることはいうまでもありません。

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坂本歯科医院 坂本貴史

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顎関節症その3

■慢性の肩こりは顎関節症が原因!?

顎関節症は現代病のひとつといわれています。あごの関節の痛み、雑音、肩こり、偏頭痛(へんずつう)、めまい、耳鳴りなどのほか、人によって多くの異なった症状が現れます。

大阪大学名誉教授で日本咬合(こうごう)臨床研究所所長の丸山剛郎歯学博士は、多くの臨床経験から、これらの症状を、かみ合わせ(咬合)の異常からくる咬合異常関連症候群と名づけ、次のような症状をあげています。

頭痛、鼻炎、肩こり、背中の痛み、四十肩、五十肩、腰痛、目のかすみ、耳鳴り、難聴、手足の冷えやしびれ、杖がないと歩けない、声がかれる、痰がつまる、顔の肌荒れ、腹部膨満感、頻尿(頻尿)、便秘、下痢、心悸亢進(しんきこうしん)、低血圧、高血圧、生理痛、生理不順、昼間眠い、疲れやすい、姿勢が悪い、歩き方がおかしい、杖をつかないところびやすい、慢性の倦怠感、かぜをひきやすい、うつなど。

病院で検査してもらっても原因がはっきりとしない慢性の肩こりや偏頭痛、耳鳴りなどの原因は、もしかしたら、悪いかみ合わせにあるのかもしれません。

念のために、あなたのあごをチェョクしてみましよう。

【ここがポイント】

1)目をあけるのがつらい
2)耳のそばで音がする
3)物をかんだり、あくびのとき痛みを感じる
4)口をあけるとき、真っ直ぐ開かず蛇行する
5)いつも頭痛がする
6)リウマチや痛風にかかっている
7)うつ伏せ寝が多い
8)くいしばりや歯ぎしりがある
9)頭や首に外傷を受けた

いかがでしたでしょうか。1)の口をあけるのが指2本分の幅は無理せずに開きます。あまりあかない場合は顎関節症が考えられます。とくに、1)〜4のうち、どれかひとつでも心当たりがありましたら、歯科医に相談をしたほうがいいでしょう。

■顎関節症の主な原因はかみ合わせのズレ

顎関節症は、あごの使い方に左右差があったり、歯ぎしりなどでいつもあごに大きな力がかかっていたり、そのほか、横寝やうつ伏せ寝、ほおづえなどの習慣や精神的なストレスがあったりすると、おこるといわれています。

具体的には、以下のような原因が考えられます。

【ここがポイント」

1)親知らずがでてきて、かみ合わせがずれた。
2)歯を抜いた後、そのままにしておいたためにかみ合わせがずれた。
3)歯並びが悪い。
4)歯をくいしばったり、すり合わせる癖がある。
5)歯がすり減った。
6)義歯を長期にわたって調整しないで使っている。
7)交通事故後、あごのかみ合わせがずれた。
8)あごが大きすぎる・小さすぎる。
9)口をとがらせたり、すぼめる癖がある。
10)姿勢が悪い。
11)長時間同じ姿勢を続けている○
12)ストレスが多い。
13)重いものを持ち上げる仕事をしている。
14)硬いものを連続して食べた。
15)リウマチ・骨粗しょう症・更年期障害などの病気をかかえている。

ガムをかんでいるとき、右側でかんでいるか、それとも左側でかんでいるか、ちょっと注意してみてください。無意識にかんでいると、たいていどちらか一方にかたよっています゜

こうした「右がみ」「左がみ」「片がみ」といったかみ癖には、歯並びが悪かったり、歯を抜いた後の義歯の具合が悪かったり、むし歯や歯周病で痛みのあるところを避けるためであったりなど、さまざまな理由があります。

そして、こうしたかみ癖を長い間続けていると、顔の左右が違ったり、背骨が曲がってきたりします。けれども、この癖は無意識のうちに行っているだけに、それを矯正し、一度崩れた左右のバランスを元に戻すのは簡単ではありません。

たとえば、ガム療法を試してみるのもいいでしょう。コツは、あごを引いた正しい姿勢で、かみ癖でないほうの側でガムをかめばいいのです。それを繰り返すことにより、あごのずれがある程度修正されるといわれています。ガムはキシリトール入りをおすすめします。

■顎関節症の治療法

1)まず、問診をします。
2)レントゲン写真を握り、関節の動きや形の正常・異常の診断をします。
3)あごの触診をして開口測定を行い、治療計画を立てます。
4)かみ合わせの型を取ります。
5)スプリント(マウスピース)をつくります。スプリントを使うことによって筋肉の疲労を取り除き、あごの関節への負担を軽くします。スプリントは筋肉の硬直やかみ癖を治すだけでなく、かみ合わせを正しい位置に誘導します。
6)スプリントの調整をします。
7)かみ合わせを再調整します。
8)仮歯や仮義歯を入れてかみ合わせを確保します。
9)薬により痛みを緩和したり、筋肉の硬直を取り除きます。
10)歯のかぶせ直しや継ぎ足しをして、かみ合わせを修正します。         11)カウンセリング、マッサージ、運動療法の指導を行います。          12)必要に応じて、歯の移動、親知らずの抜歯、インプラント治療、他科の紹介(専門的な治療が必要な場合は他の大学病院や内科、診療内科)をします。
         
治療の順序は医院の方針や設備によって異なりますが、顎関節症の治療は、次の三つのポイントが基本となっているのはどの病院でも共通しています。

1)全身のリラクゼーション・⇒筋肉的緊張の緩和
2)かみ合わせの治療
3)メンタルコンディショニング⇒精神的緊張の緩和

■顎関節症を予防する日常生活の注意点

前述した三つの治療原則を、普段の生活のなかでできるだけ行うことが秘訣です。

●泳いだり、歩いたりして全身を鍛え、免疫力を高める。
●歌を唄う、リラックスをする。
●歯をかみしめない。かみしめる癖のある人は、ときどき、腹式呼吸の要領で息を長く吐きながら軽く上下の唇を触れ合わせる。そのときは、歯は合わせないようにする。
●十分な睡眠を取るようにする。
●うつ伏せ寝、横寝、あごを枕に押しつけて寝ないようにする。
●ほおづえをつかない。あごだけ前にだしたような姿勢はとらない。猫背にならない。
●バランスのとれた食事を規則的に摂る。
●ひどく硬い食べものの摂取はひかえる。
●口を大きくあけない。大きいものを食べない。

■歯ぎしり、かみしめを防ぐ方法

顎関節症のいちばん手っ取り早い治療方法は、かみしめをやめることです。無意識にしても意識的にしても、現代人はかみしめが多くなっているといわれています。ストレスに順応するためにかみしめを行い、また、ストレスを発散させるためにかみしめを行っているのです。

かみしめは、ギューッとかんでいる場合をクレンチング、カチカチと連続的にかんでいる場合をタツピングと言いますが、次のような悪影響があります。

1)差し歯がとれやすい。
2)歯がグラグラ動いて痛くなる。
3)歯が析れてしまう。
4)あごやあごの周囲が痛くなる。
5)顎関節症の症状がでてきてしまう。

しかし、寝ているときの歯ぎしりやかみしめを防ぐにはどうしたらいいのかという方には、次の方法をおすすめします。

まず、上向きに寝て内臓にかたよった力をかけないようにします。枕は軟らかめにしてゆったりと頭を沈め、頭の位置はできるだけ低くします。枕をしなくても結構です。

そして、歯と歯の聞かlmくらいに関いた状態に保つと、気道がほぼ一直線に保たれ、安定した呼吸で眠ることができ、歯ぎしりやかみしめを防ぐことができます。

歯と口の悩みを解決する本

著者:坂本歯科医院院長 坂本貴史

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歯垢はなぜみがきにくいところにたまるのか?

むし歯になる最大の原因、それは歯垢ということがわかったと思います。<歯についた垢>と書く歯垢は、一口でいえば、歯の表面についた白っぽいネバネバです。単なる食べかすではありません。歯牙細菌苔(しがさいきんたい)ともいい、生きた細菌の大集団で、苔のように歯にへばりついています。

この歯垢に唾旅中のカルシウムやリン酸が沈着して石灰化したものを歯石といいます。石という字のとおり、歯ブラシだけでは取りきれない硬さになります。表面がザラザラしているので、その上にもまた歯垢がつきやすくなります。

歯垢がみがきにくいところにたまる理由は、菌が生き延びるためです。唾液が循環しやすい場所にいると、せっかくつくった酸が拡散してしまいます。つまり、菌にとって住みにくい環境になってしまいます。

そのために、奥歯の溝や周り、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、治療で詰めたものやかぶせたものの周り、差し歯や義歯のつぎ目などのみがきにくいところに、強いネバネバカでくっついています。

細菌が密集すれば濃度の高い酸がつくられ、その結果、歯が溶けだしてむし歯になるというわけです。歯周病も、この歯垢が原因となっておこります。

歯が抜けるのはむし歯より歯周病が原因

四十歳以降の人では、歯を失う原因の六割以上が歯周病によるものといわれています。歳をとると歯が抜けるのはしかたがないことだと思いがちですが、歯が抜けるのは歯周病という病気、つまり、生活習慣が大きく影響していると確認することが大切です。

歯周病とは、歯垢や歯石などが原因となって歯肉や歯根膜、歯槽骨など、歯を支えている土台が破壊されてしまう病気の総称です。歯肉だけが炎症をおこしている状態を歯肉炎、さらに悪化して歯槽骨までが破壊された状態を歯周炎といいます。歯周病の進行はまず歯肉炎から始まります。

ここがポイント

1)歯肉炎
歯肉が赤く腫れ、歯みがきなどのちょっとした刺激でも出血しやすくなります。

2)初期歯周炎
歯肉の炎症が進み、歯と歯肉の間 に「歯周ポケット」と呼ばれる深い溝ができ、ここに歯周病菌がたまります。歯槽骨の破壊も始まり、水がしみるようになります。

3)中期歯周炎
歯肉がブョブョに腫れ、歯周ポケットから膿がでるようになり、口臭がひどくなります。歯が浮いた感じがして、ものがかみにくくなります。

4)末期歯周炎
歯槽骨はほとんどなくなり、歯根が露出します。歯肉が腫れて痛み、歯がグラグラになって最後には抜けてしまいます。

歯周病とむし歯の違いを一言でいえば、歯周病は歯そのものはまったく変化しないということです。歯が黒くなっているわけでもなく、穴もあいていないのにものがかめなかったり、抜かなければならなくなったりします。

急激にここまで悪くなることはほとんどありませんが、まれに、ある日突然、自然に抜けてしまうこともあります。歯周病の特徴は、静かに進行する病気だということです。

自覚症状がほとんどありませんが、早めに発見すれば、進行具合がチェックでき、生活習慣を改善することで防ぐことができます。また、もうひとつ。歯周病は、からだの影響を受けやすい病気だということです。

歯周病は歯そのものではなく、歯ぐきやその下の骨の病気です。栄養状態が悪い、疲れがたまっている、睡眠不足、過剰なストレスなどで抵抗力や免疫力が低下していると急激に悪化します。

喫煙や思春期・妊娠期・更年期などのホルモンの変調、それに糖尿病も歯周病を悪化させ、治りにくくする要素です。

歯と歯ぐきの間の溝は1〜2mmが健康な状態ですが、この部分に歯垢がくっついたままだと、溝のなかで細菌が繁殖し、溝が深くなります。この深くなった溝のことを歯周ポケョトといいます。歯を支える歯槽骨や、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜が、細菌により破壊され、歯と歯ぐきの間にすき間ができてしまったのです。

歯周病を治すには、この歯周ポケツトの中の歯垢や歯石を取り除き、炎症を抑え、ポケットをなくすことです。

歯と口の悩みを解決する本
著者:坂本歯科医院院長 坂本貴史

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「骨粗しょう症の投薬」副作用で顎骨壊死も

1)「骨粗しょう症の投薬」副作用で顎骨壊死も

骨粗しょう症の患者さんは、薬の副作用として、まれに顎の骨の組織や細胞が部分的に腐る顎骨壊死(えし)を起こすことがあります。

 壊死は、抜歯など外科治療を受けている場合などにも生じやすいとされています。厚生労働省は、薬剤投薬を受けた骨粗しょう症患者に対し「口の中の痛み、特に抜歯後の痛みがなかなか治まらない」「顎が腫れてきた」「歯がぐらついてきて、自然に抜けた」といった症状がみられたときは、すぐに医師か歯科医師に相談するよう「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の中で勧めています。

 さらに同省は、口の中の不衛生が顎骨壊死を生じやすいので、歯科で定期的に歯ぐきのチェックと歯磨きの指導を受け、歯垢(しこう)や歯石を取ってもらうとが大切であると指摘しています。その際は、骨粗しょう症の薬を飲んでいることを必ずお知らせください。

2)「唾液」よくかみ免疫アップ

食育の一つの目的は、自分の健康を自分でつくるということです。その日の体調に合わせ、何をどう食べるかを自分で決められるようになることが大切なのです。

 また、健康のためには何といっても免疫力を高めることが重要です。栄養バランスを考えた食事をよくかんで腹7分目に食べ、睡眠を十分にとり、適度な運動をしましょう。

 最近は、免疫力に関しても内臓の重要性が指摘されています。免疫力をアップさせるためには唾液をたくさん出して、食物を唾液で包み込んで胃や腸に送ることが大事なのです。

 唾液の量が少なくなってきたと感じたら、唾液腺マッサージやキシリトール100%のガムをかむのも効果的です。よくかみだ液をたくさん出して、心も身体も健康になりましょう。

3)「あいうべ体操」 鼻呼吸に効果的

 鼻から呼吸すると、絨毛(じゅうもう)や粘液で異物がろ過されます。扁桃(へんとう)リンパ組織がさらに防御し、鼻腔(びくう)で温められ加湿された空気が肺に入るいい状態になります。 一方、口だけで呼吸すると、乾いた冷たい空気がろ過されず直接肺に入り、インフルエンザなどにかかりやすくなります。

 「あいうべ体操」とは口を大きく開け「あー」、口角をいっぱい広げ「いー」、唇をとがらせて「うー」、舌を下へいっぱい出して「べー」、とする体操です。

これをゆっくり10回、1日3セットすると、舌が上がり口の中の天井につくようになり、口が開きにくくなるので、呼吸を鼻でするようになります。そうするうちに普段も寝ている時も口を閉じるようになります。

 舌がのどの奥に落ちることが減るため、イビキや閉塞(へいそく)性無呼吸も改善されます。飲み込みがよくなり、誤嚥(ごえん)も減ります。

4)睡眠時無呼吸症候群 マウスピース有効

7月21日から30日までは夏の全国交通安全運動週間ですが、最近では飲酒運転や脱法ハーブ、高齢者の交通事故多発のニュースが気になります。

 また「睡眠時無呼吸症候群」の患者による交通事故。新幹線の運転士やバスの運転手など、人命に直結する職業に就いている方の中にも、この病気が隠れていることが話題となりましたね。

 無呼吸とは、10秒以上呼吸が止まってしまうことをいいます。睡眠中に、この無呼吸が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上ある状態を、「睡眠時無呼吸症候群」といいます。

 症例によっては、マウスピースの装着も改善に有効とされています。歯科医院では、医科専門医の診断書・紹介状があれば、保険診療で作製しています。お気軽にご相談ください。

鹿児島県歯科医師会より

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原因不明の病気で悩んでいたら

口の中を疑ってみよう

歯周病をはじめとした目や歯の病気は、今述べた病気以外にも、毎日のいろいろなちょっとした不調の原因となっています。

歯石や歯垢などの歯の汚れを放置しておくと、口の中が炎症をおこし、それがきっかけとなって、手のひらに膿をもった小さなぶつぶつができたり、慢性腎炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性心筋梗塞などをおこすことがあるのは、歯科医の間では常識になっています。

また、悪いかみ合わせは、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、耳鳴りなどの原因になっていることもよく知られています。

かむための筋肉は、首や肩の筋肉と連動していますが、かみ合わせやかみ癖が悪く、適正に筋肉が使われていないと、片方の筋肉だけが硬直し、血管や神経が圧迫されてしまいます。

筋肉にかかるストレスがアンバランスになると、そのアンバランスを解消するために首を傾けたり、片方の肩を上げたりするようになり、やがてからだに不均衡が生じます。

それが原因で肩や首のこり、偏頭痛、目の疲れ、顔が歪むなどの症状がおこるのです。 こういう歪みは、たとえば、カイロプラクティックや整体などで一時的に治っても、からだにそういう癖がついているのですから、またすぐに元に戻ってしまいます。

きちんと治すには、元々の原因、つまり歯のかみ合わせやかみ癖を治すことがいちばん重要です。また、なんとかうまくかもうとしてあごを無理に使うと、あごを中心とした首の周りの筋肉が疲労します。

首の周りには大切な神経や血管が走っていますが、その神経や血管を囲んでいる筋肉が疲れてしまうと、今度はこりが生じて神経や血管を圧迫し始め、脳の正常な反応にも悪影響を与えてしまいかねないのです。

口と歯の病気が全身に及ぼす弊害は、頭痛、偏頭痛、肩こり、食欲不振、不眠に始まり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、そして、糖尿病や狭心症、早産など、多岐にわたっています。原因不明の病気で悩んでいるようでしたら、一度、口の中を疑ってみることも必要でしょう。

歯と口の悩みを解決する本
著者:坂本歯科医院院長 坂本貴史

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『予防」に重点をおいて、家族の”かかりつけ歯科医院”を。

歯と口の健康は、近年ますます重要なテーマとなってきました。QOL(=生活の質)を高めるために予防の視点で歯と口のケアを考えましょう。

『予防の』習慣が歯と口の健康を守る

口にはさまざまな機能がありにす。まずは「食べる」ことですが、「話す」「笑う」という日々の生活をよりよく過ごすことにも、歯と口が大きく関わっています。とても重要な機能ですので、自分の歯や口を自分でケアする意識や習慣を子どものうちから身につけて欲しいですね。

残念ながら「歯科医院へ行くのは、歯が痛い時」という人が多いのが現状です。特に子育て中は、自分のことは二の次になりがちですので、例えばお子さんの健診や治療で歯科医院へ行く時には、ぜひ保護者の方も一緒にチェックを受けて欲しいと思います。

さらに家族で定期的に通う「かかりつけ歯科医院」を持ち、むし歯などの早期発見や専門家のアドバイスを受けて一人ひとリにあったセルフケアの方法を見つけることが、予防を行う上で重要です。

年齢ステージごとに必要なケアをしっかりと

赤ちゃんの歯の基盤は母親のお腹の中で作られますので、マタニティ教室などで、妊娠中から歯のケアの方法を学ぶことが大切です。赤ちゃんの乳歯が生え揃ったら、正しい食事のリズムを作ることが大事です。

「ダラダラ食べ」は、むし歯のリスクが高まるのでなるべく避けたいですね。自分でハブラシを持つようになったら、お父さん、お母さんの指導のもとブラッシングの習慣を身につけさせてあげましょう。

そして6歳前後に生えてくるいわゆる「6歳臼歯」は、生涯使う永久歯の噛み合わせのキーになる大事な歯です。ハブラシが届きにくいので歯垢(プラーク)が残リやすく、むし歯のリスクも高いため、この大切な歯をどう守るかが、この年齢ステージにおける予防の重要ポイントになります。

永久歯に生え変わる間は、歯列が揃わないので、みがき残しが多くなりがちです。仕上げみがきを必ずしてあげてください。また、フッ素入りハミガキの普及でむし歯の子どもが減ったというデータもあり、「フッ素」は意識したいキーワードの一つです。

思春期になり、自室で間食をとったり、夜更かしをするようになるとむし歯のリスクも増えます。幼いうちから、歯のセルフケア習慣をしっかり身につけておきましょう。成人になってからは、生涯自分の歯を健康に保ち続けるために、もう一度セルフケアの習慣を見直してもらいたいですね。

上手なセルフケアをプロから学んでほしい

歯の二大疾患であるむし歯と歯周病を予防するためには、歯垢をしっかり除去しておくことが必要です。そのために、歯科医院でブラッシング指導を受けることをおすすめします。

例えば、洋服にブラシをあてる動作を思い出してくだ言い、決して1ヵ所をゴシゴシこするわけではありませんよね。丸い面は表面の丸みに沿ってブラシを使うはずです。

これは歯みがきでも大切なこと。一人ひとり歯の形や状態は異なっていますので、それに合わせて正しいブラッシングをしないと、歯垢が残リ、きちんとした予防ができません。
また、デンタルフロスやデンタルリンスなどケア用品も増えましたから、自分に合った使い方を歯科医院で質問してみるのもよいでしょう。ブラッシングに加えることで、歯垢除去効果を高めたり、菌の増殖を抑えるなど、予防効果が高まります。

まずは時間を作って歯科医院で、自分の歯と口の状態を把握して欲しいと思います。チェックが「予防歯科」の一歩です。そして普段から歯科医からのアドバイスを意識したセルフケアを行うことが、歯と口を生涯健康に保ち、QOL(生活の質)を高めることにつながるのです。

セルフケアとプロフェッショナルケアを上手に組み合わせて、健康な歯と口を目指しましょう。

日本歯科医師会 副会長
歯科医師 和田明人

歯の学校 家族で守る歯と口の健康 58号

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脳の機能回復には手足を勤かすこととかむことが不可欠

なぜ、かむ力やかむ回数にこだわるかというと、育ち盛りの子どもにとっては脳の発達や運動能力の発達、高齢の方には痴呆症に関係してくるからです。

もちろん、若い人にとっても働き盛りの年齢の人にとってもかむことは大事ですが、その話は次の項目にゆずり、ここでは子どもと高齢の方に話題をしぼっておきます。

さまざまな実験や調査で、よくかむ子の知能指数の平均は、よくかまない子より高く、逆に、かむ習慣の乏しい子は、理解力や独創性、積極性、運動能力に欠ける傾向があるといわれています。

その理由はかむという動作によって大脳への血流が増え、記憶をつかさどる海馬というところの働きが活性化し、さらに背中や胸などの筋肉の発達に関係してくるからです。

ファミリーレストランに行くと、肘をついたり猫背で食事をしている子どもをよく見かけます。食事のときにこんな姿勢をしていると、首から上の筋肉に余計な緊張を与えてしまいます。

かんだり、飲んだりする動作の発達を妨げるだけでなく、悪い歯並びや顔の変形を引きおこしやすくします。また、こんな動作で食べられるのは、食べものが軟らかいので、かまずに飲み込めるからだともいえます。

そして、たとえば、いつも背中がどちらかに曲がっているような食べ方をしていると、バランスをとるために、背中の曲がりと反対の方向に自然と頭が傾きます。すると、今度は、首の筋肉にかたよった緊張が加わり、下のあごが頭の傾きと反対側のほうにずれます。

ずれがずれを生んでいくわけです。

やがて、ずれが慢性化し、それがまたかみ合わせのずれと顔の変形をおこす原因につながっていくといわれています。こうしたかみ合わせのずれは、当然、あごの関節に負担をかけ、やがては顎関節症という病気を招く原因となりかねません。

また、片側でしかかまない癖がある人は、顔や背骨の変形をおこすだけでなく、肩こりや頭痛、耳鳴り、めまいなどの原因となっている場合があります。

一方、高齢の方とかむことの関係ですが、こちらも海馬がかかわってきます。アルツハイマーと呼ばれる老人性痴呆症患者の脳を調べてみると、この部分の神経細胞が死滅しているのが特徴です。

ですから、海馬の神経細胞の死滅を少なくすること、これがアルツハイマー型痴呆症の予防につながるわけです。その海馬には血流不足に弱いという特質があります。かむ回数を増やし、脳への血液を少しでも増やすことが大切ということになるわけです。

自分の歯を多く保っている人ほど健康で痴呆が少なく、入れ歯を使用している人のほうが痴呆になりやすいというデータがありますが、そう心配することはありません。

入れ歯はあくまでリスクのひとつにすぎません。実際は、食べものをあまりかまないことが原因なのです。

「ボケ防止」だけでないかむ力の効用

かむことには、まだ、次のようなたくさんの効用があります。

【ここがポイント」

1)あごの骨が発達し、歯が十分に並ぶスペースができ、歯並びがよくなる。

2)唾液の分泌をうながし、消化吸収を助ける。

3)唾液がたくさん分泌されると、歯や歯肉の病気を予防し、口の中を清潔に保つ。

4)血液の循環がよくなる。

5)食べものの味がよくわかり、味覚が発達する。

6)あごの骨や筋肉を発達させ、歯切れのよいハキハキした発音になる。

7)かむには、あごの筋肉だけでなく、首筋、胸、背中の筋肉も使う。よくかなと、それらの筋肉のバランスが整い、上半身の姿勢がよくなる。

8)よくかむと、レンズの役割をしている水晶体の厚みを調節する筋肉の老化を間接的に防止し、視力の回復につながるという説もある。

以上、どの項目も大切ですが、なかでも2)の唾液の効用はとくに大切です。私たちは、普段、一日で牛乳パックの半分以上、500〜600mlもの唾液を分泌しています。睡眠中はほとんど分泌されません。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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ダイエットだけではない唾液の効用

唾液は肥満やがんの予防をするだけではありません。口や歯が健康でいられるためにさらに重要な役割を果たしています。

【ここがポイント】

(1)食べもののかすを洗い流す浄化作用がある。(2)油を一定
に保ち、細菌の繁殖を抑える助緩衝作 用がある。
(2)phを一定に保ち、細菌の繁殖を抑えるph緩衝作用がある。
(3)歯の表面に皮膜をつくり、むし歯を防ぐ保護作用がある。
(4)抗菌作用がある。

などがそれです。ですから、唾液の分泌が少なくなると、むし歯や歯周病にかかりやすくなってしまうのです。

(2)のphとは酸性度を測る単位のことで、ピー・エイチ、または、ペーハーと言います。ふつう蒸留水はph7で、この値が「中性」です。これよりもph値が小さければ「酸性」、大きければ「アルカリ性」です。

ちなみに、ph5・6以下の雨を酸性雨といいますが、歯も油5・5〜5・7以下になるとカルシウムやリンが溶けだし、むし歯になってしまいます。

自律神経に支配されている唾液腺は、リラックス状態で食事をすると、副交感神経が優位に働き、サラサラとした唾液を多く分泌します。

ところが反対に、イライラしたり、ドキドキしたり、感情に起伏があると、交感神経が働き、ネバネバになり、量も少なくなります。そのため、緊張すると食事がのとを通らなくなるのです。

唾液の量が多いほど、サラサラしているほど、今述べたいろいろな作用を発揮する力が高まります。まだからだを守る判断力をもたない赤ちゃんが、ダラダラとよだれをたらしているのは、唾液にこんなすばらしい力があるからなのです。

唾液の分泌を低下させる口呼吸

ところが、口呼吸をしていると、唾液の分泌が低下してしまいます。ふつうは無意識のうちに鼻で空気を吸って、鼻から吐きますが、最近は口から空気を吸って吐く人が増えてきました。口呼吸をしていても自分では気づかない場合が多いので注意が必要です。

【ここがポイント】

・いつも鼻がつまっている人
・いつも口をあけている人
・唇や喉が渇きやすい人
・歯ぐきの色が悪い人
・むし歯がある人

口呼吸をしている人には、このような特徴が多いようです。とくに、前歯の表面の一部が白い人や口臭が生臭い人は口呼吸の疑いがあります。

口呼吸が歯にとって危険な理由は、むし歯や歯周病になりやすくなってしまうからです。その理由は唾液に関係してきます。

前にもお話ししたとおり、口の中の酸性度が油5・5〜5・7以下になると、歯の表面に当たるエナメル質のすぐ下からカルシウムやリンが溶けたします。

この状態を脱灰(だっかい)といいますが、しばらくしますと、今度は唾液の力が働いて酸を中和し(緩衝作用)、きれいに洗い流す(浄化作用)などをして歯垢の酸性度を中性にします。

すると、次に、唾液に含まれているカルシウムなどのミネラルが歯に沈着し、さきほど脱灰した部分が修復されます。この状態を再石灰化と呼びます。

つまり、口の中では食事のたびにむし歯ができ始めたり治ったりしているのです。しかし口呼吸をしていると、唾液が分泌されてもすぐに乾いてしまうため再石灰化もできず、細菌の活動も抑制しきれず、むし歯や歯周病を進行させてしまうことになります。

口呼吸をしている人には、さらに次のような特徴があります。

【ここがポイント】

・自然に口が半開きになってしまう。
・前歯が飛びだしていたり、歯にすき聞か多い。
・上下の歯のかみ合わせが逆になっている(受け口)。
・いつも片側の歯でかむ癖がある。かみ合わせも悪い。
・下唇が上唇より分厚い。
・唇がカサカサに乾燥する。
・朝起きると、喉がヒリヒリ痛い。

前に記した特徴と合わせ、このような兆候があれば口呼吸を行っている可能性が十分にあります。人間以外の哺乳類動物の場合は、鼻呼吸がふつうです。

人間の場合は口で呼吸をするので、扁桃腺炎やかぜなどの呼吸器の病気にかかりやすく、最近の子どもにぜんそくが多いのも、口呼吸の影響ではないかという説もあります。

元・東京大学医学部口腔外科の西原克成博士による口呼吸を治すトレーニングを簡単に紹介しておきますが、もっと詳しく知りたい方は『呼吸健康術』(法研)をお読みください。

【ここがポイント】

最も簡単なトレーニングはシュガーレスのガムをかむことです。この場合、口を閉じてかむこと。

近くにいる人にクチヤクチヤ日が聞こえるよなかみ方はいけません。これを 毎日、一〜二時間続けると、二週間くらいで効果が表れます。

また、口を閉じてかむので、顔面表情筋の力がアップし、開きっぱなしだった唇が、少しずつ閉じやすくなってきます。そのほかには、かみ癖でないほうの側でリズミカルにかむと、顔のひずみも少しずつ改善されていきます。

口呼吸以外では、次のような原因で唾液の分泌が少なくなることがわかっています。

・あまりかまずに食事する
・鎮痛薬、血圧降下剤、利尿剤、向精神薬などを使用しているとき
・脱水症状をおこしたとき
・頭部のがん治療に放射線療法を用いた場合
・自己免疫疾患やHIV感染など

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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二十代にも歯周病が増えている。

歯科疾患実態調査(厚生省〔当時〕・一九九九年)によると、五〜十四歳で37%、十五〜二十四歳で65%の人が、歯周病の第一期症状である歯肉炎にかかっています。

この割合は、年齢が上がればさらに増えます。まさに、国民病といえます。歯周病がこんなに増えたのは、むし歯ができる原因と同じで、繊維質の多い野菜や硬いものを食べなくなったからです。

スナック菓子などの軟らかいものを食べる人が増え、目の中に歯垢ができやすい状態をつくりだしているのです。そして、歯周病は感染することもあるので要注意です。

余計なおせっかいかもしれませんが、たとえ恋人同士でもキスをするにはエチケットが必要です。きちんと歯を手入れしておくのも愛情のひとつではないでしょうか。

また、糖尿病との関連も見逃すことができません。糖尿病は、病気そのものよりも動脈硬化、腎臓障害、網膜症などといった合併症が怖い病気です。

この病気になると、唾液の分泌量が減ります。そのために、喉が渇くという現象が目立ちます。異常に喉が渇いてしかたがないという症状から糖尿病が発見されることがよくあります。

そして、喉が渇くと、口の中が不潔になりやすくなります。若い人が糖尿病になった場合は、多くのむし歯ができるという傾向があります。

中年以上の人が糖尿病になった場合は、むし歯より、むしろ、歯周病にかかりやすく、その結果、総入れ歯になる比率が高いという傾向があります。不幸にして糖尿病になってしまったら、口の中の清潔を保つように注意することが、極力必要です。

さらに、この病気で注意しなければいけないのは、全身の抵抗力が著しく低下することです。ちょっとした傷でもなかなか治りにくいという症状がよくおこります。

歯を抜かなければならなくなったときなどは、事前に、糖尿病であることを歯科医に告げるようにしましょう。

ドライマウスはむし歯や歯周病になりやすい

ドライマウスによって口の中には次のような症状がおこりやすくなります。

●入れ歯がすれて傷ができやすい。
●口内炎ができやすい。
●歯周病がなかなかよくならない。
●パンなど乾燥した食べものをなかなか飲み込めない。
●歯に着色物がくっつきやすい。

介護を必要とする高齢の方の場合などは、ドライマウスが原因で、上あごや舌の裏側に食べかすや痰などの分泌物がこびりついたままになっていたり、歯と歯の間や歯と頬の間にも食べかすがたまったままになっていることが多いので注意が必要です。

また、口の中が乾くことによって唾液の働きが低下し、むし歯、歯周病、口臭、カンジダ症などのトラブルが発生しやすくなりますので、そのケアも必要に応じて行わなければなりません。

ドライマウスの方が、まず日常生活で気をつけなければならないことは、口に刺激を与えないようにすることです。アルコールや香辛料などの刺激物を飲んだり食べたりすると、目の中の乾燥をさらに進行させてしまうからです。

ビスケットやクラッカー、おせんべいなどの乾いた食品は、とくに食べにくくなります。なるべくなら、そうした食品は避けたほうがいいのですが、どうしてもという場合には、十分に水分を摂りながら食べることです。

ただし、食べた後に乾燥がより強く感じられる場合は、症状が治まるまで食べるのをやめてください。ビスケットのようなものなら、ミルクティーに浸して食べる、パンならフレンチトーストにするなどして、工夫を加えて食べるといいでしょう。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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歯周病の治療

最初に、歯ぐきの状態を把握するために、口全体のレントゲン撮影と歯周ポケットの深さを検査します。

歯周ポケットとは、歯ぐきが歯からはがれてしまっている部分のことで、袋状になっているために、歯垢や歯石がたまりやすく、しかも取りにくくなっています。

次に、歯垢や歯石の除去を行います。それと同時に、かみ合わせの状態もチェックします。かみ合わせを悪くしている詰めものを修正したり、歯が抜けたままになっていたところには歯を入れるように準備します。

それから、担当医や歯科衛生士が歯みがき指導を行います。もうおわかりのように、歯周病の予防は食後の歯みがきが決め手です。最初の検査と治療から約一ヶ月後、二度目の検査を行います。

改善されていない箇所はさらに次の方法で治療します。初期の治療で取りきれなかった深いところに付着した歯石は、麻酔をして、耳カキのような形をしたスケーラーで取り除きます。

歯ぐきの傷んでいるところもきれいに削り取ります。しかしこの方法が行えるのは歯周ポケットが6mmくらいまでです。それ以上深いところについた歯石は、歯ぐきを切開して歯石を取り除く手術を行います。

このときに活躍するのが、むし歯の治療の項にもでてきたレーザーです。歯周ポケットにレーザー光を照射して殺菌と消毒を行い、歯垢や歯石を取り除きます。もちろん麻酔はしないで処置することが可能です。

歯周組織再生誘導法(GTR法)とは?

歯周病が進行した場合、以前は歯を抜くしか方法はありませんでしたが、この治療法が開発されたことで歯を救えるようになりました。

歯周組織再生誘導法とは、失われてしまった歯根部の周囲をゴアテックスという人工の膜で覆い、歯肉の侵入を防いで、歯槽骨を再生させる方法です。

歯槽骨とは歯の土台になっている組織のことで、歯を支える役割をもっていますが、歯を失うと歯槽骨の役割がなくなるため、溶けてしまいます。歯槽骨が吸収されてしまうと義歯のひとつであるインプラント(人工歯根)治療も困難になります。

したがって、GTR法が有効なのは歯周病の症状が中程度の人までといわれています。

ところが、歯槽骨が溶けてしまった人でも、自分の骨髄を移植して再生する治療法が、福岡市の歯科医・清川宗克さんと久留米大医学部の田井良明教授(形成外科・顎顔面外科)らの研究グループによって開発され、2002年九月二十二日、広島市で開かれた日本口腔インプラント学会で発表されました。

研究グループは、骨髄の中に、骨に分化する幹細胞が含まれることに着目し、いったん歯を抜き、残った歯槽骨に患者自身の骨盤の内側から採寂した骨髄を盛った後、歯肉で覆ったところ、約三ヵ月で歯槽骨が再生して、再移植した歯が固定され、半年後にはものがかめるようになったのです。

1998年四月以降、二十八〜七十四歳の患者二十九人にこの治療を試みたところ、二十七人は再移植した歯の脱落がなく、インプラントより歯の固着率がよく、細菌に感染しにくいという結果を得ました。

つまり、これまでは入れ歯にするしかなかった人でも、自分の歯を再移植することが可能になったのです。

この治療法が一般化するまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、清川さんは「自分の歯でものが食べられる点に意義がある。新たな治療法の選択肢として広まってほしい」と話しています。

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坂本歯科医院院長 坂本貴史

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黄色い歯を白くする

歯は、毎日しっかりみがいていても、必ずどこかにみがき残しがあるものです。いったん歯に付着してしまったコーヒー、茶しぶ、たばこのヤニ、歯石などは、毎日のブラッシングだけでは、なかなか取ることができません。

そして、これらの色素や歯石は、口臭やむし歯、歯周病など、さまざまなトラブルの元になるだけでなく、歯の美しさを損ねることにもなります。

明眸皓歯(めいぼうこうし)という言葉がありますが、この皓歯とは真っ白な歯という意味です。ついでにいうと、明眸は澄み切った美しい目のことで、美人を形容する四字熟語です。白い歯は、やっぱり昔から好感度の重要ポイントだったのです。

黄色い歯を白くするには次のような方法があります。

●クリーニング

歯に沈着した色素はクリーニングによって、本来の自然な色と美しさを取り戻すことができます。治療は次の手順で行います。

1)まず、歯周ポケツトのがんこな歯石を、ハンドスケーラーで一本ずつ徹底的に取り除きます。
2)次に、歯の表面にこびりついた歯石を、超音波 スケーラーを使って粉々に砕き、除去します。
3)そして、歯に付着しているコーヒーやたばこのヤニなどの汚れを残らず取り除きます。
4)仕上げは、歯の表面をぴかぴかにみがきあげます。

クリーニングにかかる時間は六十分程度で、痛みもありません。一般歯科で行っている歯のクリーニングは五千円くらいからです。審美歯科専門医で扱っているクリーニング費は一万円〜二万円ぐらいが平均でしょう。

●ホワイトニング

クリーニングで満足できず、もっと白くしたいという人には、歯の表面を白く着色したり、薬を使って歯そのものを白くするホワイトニングがあります。ホワイトニングは、変色した歯を薬品を使って白くする方法です。

内部から変色している歯や生まれつき変色している歯の表面に薬品を塗り、脱色しながら色素を取り除いていきます。歯の表面から行うホワイトニングは、変色の度合いによっても違いますが、三〜四回の治療が必要です。

しかし、その効果は永久的なものではなく、六ヵ月から一年です。二年くらいすると少しずつ戻ってきます。

ホワイトニングには、歯科医で行うオフィス・ホワイトニングと、医師の指導にしたがって本人が自宅で行うホーム・ホワイトニングがあります。ほとんどの方が、オフィス・ホワイトニングで治療を受けています。

次に、補綴処置(ほてつしょち)を応用した歯を白くする方法があります。自分の歯につけ爪のようにかぶせたり表側に張りつけたりする方法でラミネートベニアークラウン法といいます。

●ラミネートベニアークラウン

歯の着色がきつく、ホワイトニングでも満足できない方には、表層のエナメル質を二層削り取り、そのあとにセラミックスでできた薄いシェルを張りつけて歯を白くするラミネートベニアークラウンという方法があります。

歯を削る量は最小限で、痛みはありません。通院回数も二、三回ですみます。セラミックスは変色しないので、白さが長もちします。ただし、残念ながら健康保険の適用外の治療になります。丁不当たりの治療費は十万円前後です。

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坂本歯科医院院長 坂本貴史

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基本的なオーラルケア 歯周病予防の為に

1)毎日の歯磨きを見直しましょう。

歯磨きをする時に、鏡で見える歯の表側ばかり磨いていませんか?歯の裏側もしっかり磨くようにしましょう。

磨き残した歯周プラークは実は細菌のかたまり。歯を支えている組織を破壊してしまいます。歯だけでなく歯とハグキの境目の部分も磨くことが、歯周病予防のポインド!

2)プラスのケアで健康な歯に!

歯磨きでは届かない歯と歯の間のケアには「歯間ブラシ」や「フロス」が効果的!特に奥歯は歯周病になりやすいとされている場所。1日1回は歯同プラークの除去を。前歯や歯並びが悪いところはフロスがオススメです。

3)定期検診が重要です!

歯科医院に行くのは、歯が痛い・ハグキが腫れたなどの症状を自覚してから…という人が多いのでは?歯周病は自覚症状がないまま進行してしまう病気です。

たとえば「疲れたときにハグキが腫れる」なんてことはありませんか?一見治まったように見えても腫れを繰り返しながら、実はどんどん悪化しているのです。

歯周病は早期発見、早期治療することが大事!定期的に歯科医院でお口のチェックと専門的な歯のクリーニングを受けることで歯の健康を守りましょう!

糖尿病がある方へ 〜お口とカラダの健康のために〜

4)歯科医院との上手な付き合い方

・歯周病のチェックを受けましょう!

糖尿病と歯周病は互いに影響しあっていることを考えれば、糖尿病の治療とともに歯周病のチェックを受けるようにしましょう。定期検診もこまめに行くほうがよいことも。歯科医師と相談しましょう。

・血糖値などの数値を記録しておきましょう!

歯周病やその治療への影響を考えて、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値を歯科医師に伝えておきましょう。

・歯科治療を受ける際には血糖の急激な変動に気をつけましょう!

歯科治療での緊張やストレスが血糖値に影響することがあります。歯科治療後にすぐに食事ができないこともあります。低血糖への対応などを備えておくとともに不安な場合は歯科医師へ伝えておきましょう。

5)歯周病予防で、良く噛み、おいしく食べて健康なカラダへ

歯周病になるとハグキが腫れたり、歯がグラついたりして物がうまく噛めなくなったり、歯そのものが抜けてしまったりして、食べるのも難しくなることもあります。

歯周病をきちんと治療することでうまく噛めるようになると食べられる食事の種類も広がり、楽しみも増えるはず。

また、毎日快適なお口の中で過ごすために「食事後に歯を磨く」「就寝前に歯を磨く」といったオーラルケアが習慣になれば、歯周病予防だけでなく、毎日の生活リズムを整えるよいきっかけになるかもしれません。

歯周医学で、健康を見つめる サンスター

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歯科受診について

入院前に歯科を受診しましょう!!

なぜ歯科医院を受診するの?

入院を目前にして、お忙しいことでしょう。その忙しいときに、歯科受診をお勧めするのはなぜでしょうか。それは、歯科医院を受診することで、入院中のトラブルを減らすことが出来るからです。

・入院中に歯が痛<なったらどうしますか

ご自宅での生活と違い、入院中はお口の手入れが疎かになりがちです。ましてや、手術直後は身体も動かしにくくなっています。

入院前に、お口の中をチェックすることで、安心できます。

・全身麻酔に伴う合併症・偶発症を予防できます。

合併症・偶発症のうち、“歯が欠ける、抜ける”、“肺炎”は歯科受診で予防できます。
きれいに見えても、お口の中は細菌がいっぱい

歯の表面にはプラーク(歯垢)と呼ばれる汚れが付いています。プラークは、歯に付いた食べかすの中で、細菌が増殖したモノです。プラーク1gの中には、一億の細菌がすんでいます。

この細菌は、むし歯や歯周病の原因になるばかりでなく、いろいろな病気を引き起こすことが知られてきました。

肺に入ると、肺炎の原因になります。動脈硬化や、心筋梗塞、細菌性心内膜炎の原因の1つと考えられています。

歯周病の原因菌は、早産や低出生体重児に関係しています。妊娠中の女性では、要注意です。

歯科医院では何をするの?

・まずは、おロのチェック

入院中に痛<なりそうなむし歯はないか、歯ぐきは大丈夫か、入れ歯の具合はよいか、歯みがきは出来ているか、などを総合的にチェックします。

特に、グラグラしている前歯はないか、奥歯は大丈夫か、折れそうな歯・欠けそうな歯はないか、など全身麻酔に向けて念入りにチェックします。

・問題があれば

入院までの少ない日数で、出来ることをしっかり相談し、大急ぎで治療します。特に、全身麻酔に問題となりそうなグラグラの歯では、抜歯を行う場合もあります。また、欠けそうな歯には、保護のためのマウスピースを作る場合もあります。

・おロの清掃は必ず行います

肺炎予防のため、プラークや歯石を除去し、清潔にします。

いつ受診したらいいですか?

お口の状態によっては、治療に回数のかかる場合もあります。手術日程・入院日程が決まったら、出来るだけ早く受診して下さい。

歯科医院に、事前に予約の電話を入れて下さい。その際に入院して手術すること、病院名、入院予定日を、かならず伝えて下さい。

出来るだけ早い日に受診できる様に手配されています。

お口の状態を整えて、入院・治療をしましょう

一般社団法人 平塚歯科医師会

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あなたも恐ろしい歯周病?

楽しい食事で健康寿命を延ばそう!!

歯を失う原因のトップは歯周病。自分の歯が少ない人ほど介護度が高くなっていて成人の80%がかかっている国民病です。

平成24年の日本人の平均寿命は男性が79.9歳、女性が86.4歳ですが、厚労省の算出した健康寿命は男性が70.4歳、女性が73.6歳です。男性で9年、女性で13年の差があり人生の最後は健康的な生活でないのです。

三度の食事がいつまでも自分でおいしく食べられてこその長寿、健康寿命延伸のカギ歯周病をとりあげました。

軟かい食べ物で成人の80%が罹患

歯周病は生活習慣病でもあり、食生活の変化と大きな関係があるのです。

硬くて繊維質の豊富な食べ物の多かった時代には細菌の温床になる歯垢(プラーク)の歯ぐきへの沈着が防がれていたのみならす、硬いものを良くかむことによって沈着した歯垢の除去効果さえあったのです。

食物繊維などをよくかむことによってだ液の分泌も促進され、口の中の浄化が進んだのです。

ところが昨今ではスナック菓子やインスタント食品などに代表される軟らかくて歯に着きやすい食べ物がもてはやされるようになり、口の中が不潔になっていて歯周病の原因である歯垢の形成に拍車がかけられてしまっているのです。

歯周病とはどんな病気

歯周病とは歯を支えている組織の病気で、歯肉炎や歯周炎(歯槽膿漏)が含まれます。 歯周病の初期段階では、まず歯根膜や歯槽骨の上にかぶっている歯肉(歯ぐき)にだけ病変がおよびます。

この状態が歯肉炎で、ときどき歯肉から血が出たり、歯ぐきが腫れる程度ですので、ほとんどの人は気にすることなく見すごしてしまいます。

そして、それがさらに悪化して病変が歯根膜や歯槽骨にまでおよぶとその状態は歯周炎といわれます。この状態では歯肉が歯から離れはじめそこにポケットができるため、うみがたまったりして、口臭もひどくなります。

さらには歯肉の下にある歯槽骨も破壊吸収され、その結束、歯が抜け落ちてしまうのです。

色々な薬には抗菌作用をもつだ液の分泌を減らす副作用があるといわれますので長期服用者、さらに歯肉の乾燥は病気の進行を促進するので口呼吸の習慣者も注意が必要です。

生命を脅かす病気を併発

歯周病は細菌感染による炎症で、増殖した細菌は炎症を引き起こす物質を生み出します。これらの物質の一部や、細菌の一部が血管の中に入りこんで、全身にさまざまな悪影響をおよぼすと考えられています。

口の中の健康な人と比較して致命的な心臓発作が起こる確率が2.8倍も高いことが示されています。

歯周病菌が心臓の血管の内側の壁にとりつき血管の太さを狭める物質を作る手助けをするといわれ、脳の血管でも同じことが起こることが考えられています。また、歯周病菌が気管に入り気管支炎や肺炎にもつながる危険性も高いのです。

さらに低体重児出産の確率も約7倍、糖尿病の第6の合併症でもあり、炎症によって生じたある物質が肝臓の働きをにぶらせて血糖値を下げるインスリンの働きを弱めると考えられています。

喫煙者ではニコチンの血管収縮作用のため歯肉が硬くなって初期症状が見逃され、口の中のがんの発生率も3倍といわれています。血流悪化により歯肉の回復力が低下すると共に煙の中の有害物質が口中の免疫力を低下させ、歯槽骨の吸収も早まります。

早期発見で健康長寿を

ところであなたの歯は何本ありますか。最近の調査では20代では28本、30〜40代では27本、50代では25〜24本、60代では22〜21本が平均値です。

歯周病がむし歯と違って恐しいのは一度に多数の歯を失う原因となることです。平均値以下の人はとくに注意が必要で、かむことは認知症の予防にもなりますので歯は大切です。

歯周病はまったく痛みもなく、静かに知らないうちに進行していく病気なので早期発見のカギは定期検診にあります。

検診が終ったら症状や歯並びなど自分の口の中の状態に合った歯みがき方法の指導を受け、その後も定期的に通院して管理してこそ、いつまでもおいしく自分の口から三度の食事が食べられ、健やかな老後が保証されるというものです。

読んでトクする情報紙 かむカム 2013年9月号
歯科医師 高橋 韶光

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むし歯、歯周病予防には食後の緑茶

お茶の効用はよく知られています。歯についての効用に限っていえば、以下に紹介するようになっています。

●カテキン(お茶の渋味成分)⇒むし歯、口臭予防効果。
●フッ素⇒むし歯予防効果
●フラボノール

そして、口の中に残っている食べもののかすを洗い流す作用もあり、文句のつけようがありません。

さらに、一仕事を終えてゆったりした気分でお茶を飲むと、ストレスが緩和し、唾液の項でお話ししたように、殺菌効果、再石灰化をうながす効果の高い、サラサラした唾液の分泌が十分に期待できます。

カテキンの効用についてもう少し触れておきます。

1)喉や食道に侵入してきたインフルエンザなどの悪性ウイルスの増殖を防ぎます。外出から帰ってきたときなど、お茶でうがいをするといいでしょう。

2)アルツハイマー型痴呆症の予防にも効果があります。アルツハイマー型痴呆症の原因のひとつとして脳内血管の酸化があげられますが、それを防ぐには、ビタミンCやEなどの抗酸化ビタミンを摂ることが大切です。
そして、このビタミンCとEは、すぐに分解されずに長く体内にあったほうが効果があるのですが、カテキンはこのふたつのビタミンの分解を遅らせます。

【ここがポイント】

●緑茶と同じ茶葉からつくられる紅茶やウーロン茶からもカテキンを摂取することができます。しかし、その働きが最も強力といわれるエピガロカテキンガレートが圧倒的に多く含まれているのは緑茶です。

●一杯の緑茶からより多くのカテキンを摂るには100度Cのお湯(沸騰したてのお湯のこと、数分経つとすぐに80度Cに下がってしまう)を急須に注いで三分待つのが理想です。

●小魚を煮るとき、番茶を使うと骨まで軟らかく煮ることができます。これは、お茶に含まれるタンニンの成分が働くためです。魚をまるごと食べればカルシウム満点で、歯にもからだにもいい。昔の人はよく知っていたお茶の効用のひとつです。

いつまでも健康な歯でいるには、まず、ていねいな歯みがきをして歯垢を取り除くこと、そして、もし歯石が付着してしまったら、歯科医で取ってもらうことです。

そのうえで、日頃の食べものから、歯周組織の血行の改善や出血の予防、粘膜の強化、歯や歯槽骨の強化のために、ビタミンCやK、葉酸、フラボノール、カルシウムなどを十分に補給することです。

【ここがポイント】

●ビタミンCは、たんぱく質の新陳代謝に犬切な働きをするコラーゲンの合成を促進します。その結果、歯と歯ぐきの結合をうながし、毛細血管を強化して出血を防ぎます。⇒柑橘類、緑黄色野菜、ベリー類、トマト、カリフラワー、じゃがいも、ピーマンなどに多く含まれています。

●フラボノールは、ビタミンCの吸収を助けると同時に、毛細血管を強化し歯ぐきからの出血を防ぐ働きがあります。⇒緑茶、紅茶、ウーロン茶、タマネギ、リンゴなどに多く含まれます。

●ビタミンKには血液を固まらせる働きがあり、歯ぐきの出血を止めてくれます。また、カルシウムがうまく骨に取り込まれるのを助ける働きがあるので、歯槽骨を強化するためにも欠かせないビタミンです。⇒緑色の菜野菜、ヨーグルト、卵黄、海藻などに多く合まれています。

●葉酸はビタミンB群のひとつですが、歯肉の炎症の抑制、出血の防止、歯垢の除去、変色した歯肉を健康なピンク色に戻すなどの働きがあることが確認されています⇒濃緑色野菜、ニンジン、レバー、卵黄、アンズ、カボチャ、アボカドなどに多く含まれています。

●カルシウムは丈夫な骨や歯を保つために欠かせないミネラルです。不足すると歯ばかりでなく、歯を支えている歯槽骨が弱くなり歯周病を招きやすくなるので、十分に補給する必要があります⇒乳製品、チーズ、いわし、鮭、ピーナッツ、クルミ、緑色野菜などに多く含まれています。

お茶は私たちの生活になじみのある嗜好品です。ですから、たとえば、コーヒーを飲みに行こうと友達を誘うときにも、「お茶にしようか」などという言い方をします。

そんなとき、言われた相手の友達も、ふつうは、「お茶なの?コーヒーがいいな」なんて言い方はしません。もし、そんな言い方をするとしたら、よほど虫の居所が悪いときか、ただの偏屈屋さんです。

そして、連れだって、黙って喫茶店へ入り、コーヒーを注文します。私もコーヒーが好きだし、甘いものも好きです。でも、なるべくお茶を飲むように心がけています。

参考:歯と口の悩みを解決する本
著者 坂本歯科医院院長 坂本貴史

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ホーム・ホワイトニングで歯のおしゃれ

歯を白くする方法には、一般的な治療と同じように歯科医が行うオフィス・ホワイトニングと、歯科医の計画に従って、歯を白くしたいと希望する方白身が行うホーム・ホワイトニングとがあります。

ここではホーム・ホワイトニングについてお話ししておきましょう。

ホーム・ホワイトニングは、使用する薬剤の濃度が薄く、歯への負担が少ないのでアメリカでは人気が高く、広く普及している歯の美容法です。その特色は以下のようになっています。

●歯を削ることがない。
●治療に麻酔を使わない。
●歯の周りの歯肉に影響がない。
●基本的に痛みをともなわないので心理的な負担が少ない。
●比較的経済的である。

治療の方法は一日に四〜八時間(通常は睡眠時)、マウスピースの内面に低濃度の過酸化尿素(漂白剤)を注入したものを口腔内に装着します。

たいていは一週間以内で初期効果が確認できます。治療が完了するまでには四〜六週間かかりますが、きちんと実行しなかったり、あるいは変色の原因などによっては、もっと長い期間がかかることもあります。

漂白中や漂白後の一週間程度は、たばこ、コーヒー、紅茶、お茶、カレーライス、ソースなどの、色素が沈着しやすい食材は避けるようにします。しかし、残念ながら、この効果が永久に続くわけではありません。

効果が持続する期間は、日常のお手入れや食べものなどで個人差があります。数カ月に一度、歯科医のケアを受けたほうがいいでしょう。

さらにくわしく知りたい方は、歯科医院におたずねください。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本貴史

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たばこと歯周病

たはこの煙には、ニコチン、タール、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、シアン化水素など、二百種類以上の有害物質が含まれています。それらの物質が、肺や心臓に害を与えるのと同様に、歯の周りの組織(歯周組織)にも悪い影響を及ぼします。

平成八年、厚生省(現・厚生労働省)が厚生大臣に提出した意見書によれば、喫煙習慣は、肺がん、気管支炎などとともに歯周病をおこす要因であると指摘しています。

そして、その意見書のなかで、さらに次のように言っています。
●非喫煙者にくらべて、歯石がつきやすい。
●歯ぐきの血行や免疫機能(防御機能)を低下させる。
●歯周病の治療を行っても、治りが悪く、再発しやすい。
●歯同病にかかるリスクが高いのは、第一に高齢者。第二に喫煙者。

タール(ヤニのこと)は歯の表面にこびりつき、歯ブラシでもなかなか取れません。歯の裏側にこげ茶色に付着し、さらにこの部分には、むし歯や歯周病の原因となる歯垢が沈着しやすくなり、歯周病の発症や進行を早めてしまいます。

また、ニコチンは、歯ぐきや歯を支えている骨などの健康な細胞を傷つけ、炎症を引きおこしますし、免疫に必要な細胞も減少させてしまいます。

そのため歯ぐきの抵抗力が落ちて歯周病が進行しやすくなり、治療効果が低下します。あるデータによれば、喫煙者は非喫煙者とくらべて、二〜九倍の割合で歯周病にかかりやすいそうです。

といってもたばこを吸わない人が歯周病にならないわけではありませんので、くれぐれも油断は禁物です。

書籍:歯と口の悩みを解決する本
著者:坂本歯科医院院長 坂本貴史

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