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練歯磨の成分がミイラにも……

粉歯磨の処方は、乳香、緑青、緑粘土である。乳香はミルラ(myrrha フテン語、myrrhe ドイツ語)といい、アフリカ産カンラン科植物の乳香樹のことで、この樹からゴム状の樹脂がとれる。

芳香性で医薬としては、?痰(きよたん)、通経(女性生理の調整)、健胃薬に使われ、また、死体の防腐剤としても使用されていた。

ミイラ(木乃伊)の語源はポルトガル語の乳香(mirra)、オランダ語の乳香(mirre)からきている。ミイラを表す漢字木乃伊は当て字ではなく、中国でもこの字を使用した。漢方ではミイラが万病に効果がある薬として珍重されたという。

それはそれとして、歯磨剤としては、ミルラ樹脂粉末による刷掃と芳香を利用したものと思われる。

このように、歯磨剤は大変古い時代から使用されていた。美しい白い歯を持つことは、古代ソロモン王(紀元前九六一〜九三二年) の雅歌の中に「汝の歯は、毛を剪(そ)りたる牡羊(おひつじ)の浴湯(ゆあみ)より出たるが如し」とあるように、明眸皓歯という思想は、美人の表徴としてこんな古い時代からあったのである。

そして、歯を磨くということは、ヘブライの予言者であるユダヤ教のモーゼ(紀元前十五〜十三世紀)の律法の中にも、ゲゼム(Gesem)と呼んだ木片で歯や歯間の汚物を除いたことが書かれている。

また、この木片の端を噛んで房状にして歯を清掃した。

参考:歯科の歴史おもしろ読本 長谷川 正康 著

 

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