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歯周病に初めて注目した人物

人類の歴史の中で、齲蝕と歯同病は古くからみられ、古代遺跡から発見された頭蓋骨からも歯周病に罹患した痕跡が認められるという。

また、その予防法として紀元前一三〇〇年頃、アスクレピイアス(Aesculapius)が口腔内清掃について述べている他、パピルスにも歯齦の炎症に対する治療薬が記載されている。

この病気を初めて詳細に記載報告したのは一七四六年、ピエール・フォシャール著の『外科歯科医』(Le Chirur-gien Dentiste ou Traite des Dentes)の第二版である。

フォンヤールは、歯牙疾患を三種に大別分類している。1)外的原因によって起こる病、特に歯冠もしくは歯の露出している部分に起こるもの、2)歯の隠れた部分の病、すなわち、歯頸部や歯根の病、3)歯から誘発された症候的疾患で、さらにこれを103種に分けている。

その中で、他の学者がいまだ説明していないと考えられる口腔病があるとして、「身体のどこにも病がなくして 歯齦、歯槽や歯を侵す病である。

侵された歯齦は軟化し、色は青白色で腫脹し、上顎では歯齦を上から下へ、下顎では下から上へ指頭で圧迫すれば、白くかつ粘着性の膿汁が漏出する。

この膿は往々歯齦と歯槽骨の間からも出る。また、時として歯槽と歯根の間からも出る。膿の漏出は内側歯齦よりも外側から起こることが多く、また、上顎切歯、犬歯よりも下顎の同名歯から漏出する場合が多い。

前歯は臼歯より罹りやすい」(川上為次郎著「歯科医学史」による)と説明し、その原因は「局部に循環してくる漿液が変性を起こし、毛細管を破壊することによる」とし、「血管外に滲出した漿液は醗酵、すなわち、分解して次第に組織欠損を生じ、ついに歯齦と歯槽または 歯槽と歯根の間に瘻孔をつくり、膿を排出するのである」と症状と原因について述べている。

そして、さらに、その治療法として、動揺した歯牙を抜去するのが最良の治療で、歯の喪失を防止するには、毎食後に指圧して膿を除去し、少量のブドウ酒と水とを混じて合嗽して口腔の清掃を図るのがよいと述べている。

その他、自家考案の歯石除去器を製作し歯石除去の有効性を説いている。

歯周病は当時は、一種の壊血病であると考えられていたようで、フォシャールが詳細に説明した疾患であることから後世、またヨーロッパにおいてはフォシャール病(Fauchard's disease)と呼ばれていた。

参考:歯科の歴史おもしろ読本 長谷川 正康 著

 

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