ホーム プロフィール 趣味 おもしろ大辞典 ボランティア 心ある歯科医は吠える 坂本歯科医院のホームページ

「忠臣蔵」歯磨塩の騒動

商売仇の確執

忠臣蔵といえば、浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)が吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしなか)に対して、江戸城内で刃傷(にんじょう)におよんだ原因が、史家の詮索(せんさく)の対象となっていた。

そこでとり上げられている浅野、吉良両家の確執(かくしつ)の一つに、赤穂と三河の製塩と塩の販売をめぐる問題があった。

浅野家は築城による財政の逼迫を解決するために、三河の吉良家に製塩法を教わり、塩田の開拓によって塩の生産高をあげ、かつ塩の販売組織の整備に最大の力をつくしてきた。

その努力が報いられ、「赤穂塩」は品質がよく、味もよいということで、大阪、京都、堺などで名声を博(はく)し、調味料以外にも焼塩にして、小型の壷に入れ、歯磨き用「赤穂(あこう)名産花形塩」として売り出された。

かくして元禄(げんろく)の頃には、「赤穂塩」といえば歯磨き用の塩を意味するようになった。とくにこの塩が五代将軍徳川綱吉の朝の歯磨塩に献上されてからの「赤穂塩」は江戸でも評判になった。

これによって、いままで将軍家へ献上してきた吉良(きら)家の「饗庭(あえば)塩」が、「赤穂塩」に代わられて面目を失ったのみならず、赤穂塩の市場への進出がめざましく、饗庭塩の需要は落ちこんでしまった。

吉良家にとって浅野家は意識せざるをえない商売仇になったのである。このように藩の浮沈にかかわる経済上の感情が根本にあると、何らかの動機、あるいは触発するものがあれば不慮の事態になりうることがある。

かっては浅野家に製塩法を教えた吉良家の塩が、それによって販路を押されてしまった。そのなことがあって吉良上野介は異常に浅野長矩を圧迫した結果、耐えられなくなった長矩が発作的に刃傷(にんじょう)におよんだのであろう。

参考:歯の風俗誌 長谷川 正康 著

 

おもしろ大辞典へ戻る


E-Mail: takafumi@sakamoto.or.jp

ホーム | プロフィール | 趣味 | 面白大辞典 | ボランティア | 歯科医は吠える | 坂本歯科医院