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近世になっても依然根強かった歯虫説

それにもかかわらず、相変らず一方では歯虫の存在を信じる人々もいた。デンマークの解剖学者ジャコバエンス(Jacobaens,0rgerus 一六五〇〜一七〇一年)は、激痛を起こした歯を掻爬したら一匹の虫を発見し、これを水中に放ったらしばらくの間運動していたという。

また、モンペリエ大学のリヴエリウス(一五八九〜一六五五年)は、「歯の虫は齲窩の中に停滞した物質の腐敗によって生ずるもので、歯痛は短時間、間歇に反覆発生する。そのとき患者は歯牙の内部にいる虫の動揺を感じる」のであるといっている。

歯の中からでてきた軟弱な物質を虫と見違えたのは、恐らく炎症を起こした歯髄であり、ズキズキした痛みを虫があばれて起こったものと思ったのであろう。

しかし、オランダの医師フォーレスト(Foreest,Peter 一五二二〜一五九七年)は、自ら精巧なドリルを考案して歯髄穿通法を行い、齲窩には阿片製剤のテリアクで充填した。それなのに彼も歯虫の存在を肯定していた。

イタリアの解剖学者で外科学に優れていたファブリチオ(Fabrizio,Girlamo 一五三七〜一六一九年)は、齲蝕の進行を阻止するために齲窩を硫酸で腐蝕し、次いで焼灼法を行い、最後に金箔で齲窩を充填した。

参考:歯科の歴史 おもしろ読本 長谷川 正康

 

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